S&S / BLOG May 9, 2016
Text:TAKEDA KAZUYA
薄い色合いに込められた、濃いこだわりと歴史を感じてください。
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当店でもすっかりお馴染みとなりました『BONCOURA(ボンクラ)』ブランド名を聞けば原点であるデニムパンツを思い浮かべる方が多いと思いますが、今回はデニム以外の「チノ」や「インディゴヘリンボーン」をご紹介します。

『BONCOURA』”41カーキ” / “バックストラップチノ”

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『BONCOURA』からリリースされているチノは、ヒップにゆとりを持たせ程よくテーパードのかかったシルエットの“41カーキ”と、やや細身のストレートシルエットの“バックストラップチノ”の2種類。通常、チノパンは高速織機と呼ばれる織り上げの速い機械で織り込まれますが、『BONCOURA』は旧織機を使い丁寧に織り上げ完成までに4ヶ月、糸の染めを含めると約1年という長い時間を費やします。そこから生まれる徹底的に作り上げた生地は肉厚でハリとコシがあるため、非常に耐久性に優れています。

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上記写真、右は2年ほど着用している”バックストラップチノ”。『BONCOURA』のチノクロスは穿き込むごとに体に馴染みコシは残しつつも柔らかくなっていきます。過去の『BONCOURA』の記事でも度々書いている言葉ですが、しばらく履いていただければ今までのチノパンとの違いを分かっていただけるかと思います。

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貴重・高価だと一般的によく言われるデニムのセルビッチ。実は『BONCOURA』”バックストラップチノ”にもセルビッチがついています。セルビッチがついてるから「良い」とか「貴重」なのではなく、セルビッチとは旧織機で折られた証。デニム同様の旧織機を用いることで通常のチノパンでは考えられない、常識を覆すチノパンとなっています。

『BONCOURA』”41カーキ(インディゴヘリンボーン)”

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こちらはインディゴヘリンボーン素材を使用した“41カーキ(インディゴヘリンボーン)”。チノクロスではないですが、同型のインディゴヘリンボーンはデニム同様、徐々に退色することで経年変化を楽しめるアイテムとなります。

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こちら写真右が、店頭に飾っているエイジングサンプル。1年半程度ですが徹底的に穿き込みました。
新品でははっきり浮き出ていたヘリンボーンですが着用を重ねるごとに退色し、段々と縦方向の縞模様が浮き上がります。各ステッチはしっかりと芯まで染め上げてあるからか退色はほぼ見られません。このような退色や細部のこだわりが『BONCOURA』の真骨頂であり、ずっと楽しめる部分ではないでしょうか。

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余談ですがベースになっている「41」とは、1940年代初頭にアメリカ陸軍がチノクロスを軍服として正式採用したことからそう呼ばれています。
チノクロスはもともとは英国で誕生し、作業着や軍服への採用を経た後、インド、中国を渡ります。中国に渡った大量のチノクロスを米軍が軍服への採用をしたことで世界中に広がりを見せ今に至ります。「チノ」と呼ばれるようになったのも、スペイン語で中国人を意味する「chino」が有力な説。
かなり話は脱線しますが今でも語り継がれる偉大なアーティストやロックバンドを見ても、米国生まれなら英国で成功、はたまた英国生まれなら米国で成功し、世界的な広まりを見せています。それと同じような経緯を経た「チノパン」。


今では世界中から定番アイテムとして、数え切れないほどのブランドからリリースされていますが、デニム同様にシンプルでベーシック、判断基準が多くないアイテムだからこそ、差をつけるのは「目に見えないこだわり」だと思います。
『BONCOURA』の定番アイテムに関しては店頭にエイジングサンプルをご用意していおります。
ぜひ実際に手に取り見比べ、この「目に見えないこだわり」を体感してみてください。

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この記事を書いたひと
武田 和也TAKEDA KAZUYA | ___takeee___
1990年生まれ。2015年1月より「SLOW&STEADY」で勤務をスタート。洋服について日々勉強中!
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