S&S / INFORMATION Mar 22, 2020
Text:YOSHIURA KOTA
先日入荷したtrippenとKLASICAのコラボシューズをご紹介します。 スニーカーにも負けない履き心地に加え、KLASICAの洋服とはもちろんのこと、ヨーロッパベースの洋服との相性は抜群です。
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僕らが信頼を置くブランドの一つである「KLASICA」

そのデザイナーである河村氏が縁あってドイツのtrippenにデザインを提供したシューズが入荷しました。

ドイツも物作りの土台の上にKLASICAらしいデザインの乗った素晴らしい一足だと思います。

trippen

まずは今回コラボレーションしたことで、当店に初めて入荷したtrippenについて

1992年にドイツ・ベルリンで生まれたブランド。靴職人マイスター資格を持つミヒャエル・エーラーとデザイナーのアンジェラ・シュピーツの2人によって立ち上げられました。人体工学に基づく靴本来の機能を考えられたデザイン。高品質なマテリアルを使うことを徹底しています。

ユニセックスで靴作りを行い、ユニバーサルデザインの考えを積極的に導入し、また製造の過程で、革の破棄を極力減らすなど環境に配慮した姿勢が評価されているブランドでもあります。

そうしたベースは揺るがせずに今までに2000を超える品番を作ってきた実績あるメーカーです。

trippenをすでに愛用されている方はご存じかと思いますがその履き心地は一般的な革靴とはまるで別物。

今回の”SICA”に使用されているのはCUPと呼ばれるソール。素足で歩く感覚に近づけたというこのシリーズは、下手なスニーカーより歩きやすいんじゃないかと思うほど。

独自のソール構造ですが、修理も可能ですので他の革靴と同じように、ソール交換していくことで長く履いて頂ける物になっています。

環境への負荷や、使用者の身体のことを考え、植物タンニン鞣しのレザーを使用。

このモデルは軽いワックス加工を施しているのでそんなに水気も気にせず、手入れも必要ありません。店頭で買っていただいた物に関しては他の革靴と同じく店に持ってきて頂ければスタッフがメンテナンスいたします。

DESIGN BY KLASICA

今回ウチに入荷することとなったのも、当店で取り扱うKLASICAのデザイナーである河村氏が一からデザインを提供したということで入荷しました。

ヨーロッパの20年以上続くシューズメーカーのデザインを日本人が任されるってそれだけで凄いことかと思います。

言葉にすると「内羽根式のストレートチップ」ということになるのかもしれませんが、そう言われて僕らがイメージするオーセンティックなデザインとは全く違う、このシューズだからこそ出せる独自の雰囲気になってること間違いありません。

個人的なイメージですが歩行感覚を重視する物ってトゥの部分のボリュームが大きい物が多く、普通の革靴とは違ったバランスになってしまう物が多い印象。野暮ったく感じてしまう物も少なくありませんでした。

直線的なデザインで足元のボリュームも出過ぎないので、合わせる洋服の幅も多く、守備範囲の広い一足になっています。

「ソリッドなんだけど温かみ」があるというのがこの靴から受ける印象です。ヨーロッパの田舎で履かれてそうなというか、良い意味で整いすぎていないバランスがそう感じさせるんだと思います。

サイドに走ったステッチや、切りっぱなしで少し長めに設定されたシュータンなど、一見デザインと言うほどに主張が激しいわけでは無いけど革靴が好きな人ほど新鮮な見え方になるんじゃないでしょうか。

黒の短靴は一番使うアイテムかと思います。だからこそすこしバランスの違うこういった物を一足ラインナップに加えてもらうとグッと新鮮に感じてもらえると思います。

まとめ

先日偶然聞いていたラジオ番組にヨーロッパで技術を学び、オーダーメイドの紳士靴を日本で作られた第一人者のことが話題にのぼって、その人が「人が身にまとう物で体重というものを支えられるのは靴だけでしょう。本来最もシビアに選ばなきゃいけないのは靴だと考えています」ということをおっしゃったのが印象的でした。

お洒落は足元からとも言いますが、最も道具としての機能が求められるのも同時に靴なのかもしれません。trippenを始めドイツのシューズメーカーは、素材や製法のクオリティに加え、歩きやすさや機能性を重視したものが多いイメージです。

お洒落に興味の無いという人でも日々自分の体重を支えてくれる靴には目を向けてやってもらいたいと思います。

この記事を書いたひと
吉浦 康太YOSHIURA KOTA | sas_yoshiura
1995年生まれ。2017年春より「SLOW&STEADY」で勤務をスタート。靴磨きが大好き。
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