S&S / BLOG Feb 16, 2019
Text:YOSHIURA KOTA
Photo:Kenta Kannae
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洋服を紹介するさいによく使ってしまう言葉。「大人っぽい」

よくよく考えるとその根拠はなんなのかって思う瞬間があります。

今回は商品の紹介や洋服の歴史とは基本関係のないスタッフ吉浦、個人的な見解を書かせていただきます。僕が自分のクローゼットを見ながらぼーっと考えた、大人っぽさの定義を聞いてください。笑

大人が着ているもの=大人っぽい?

まずは大人っぽいものを考えてみます。

スーツ、ネクタイ、革靴、、、

では逆に子供っぽいのは?

スウェット、キャップ、スニーカー、、、

おそらくイメージするのはこういったものが多いんじゃないでしょうか。

実際に大人が着るものだから大人っぽい、子供が着るものだから子供っぽいと言ってしまえばそれまでです。でも今の時代、若者=スニーカーとはくくりきれませんよね。

どちらかといえば不便なもの

なんともネガティブな見出しですが、これが僕の考えた大人っぽい洋服の1つの要素です。

おそらく意味がわからないと思いますので、比較して考えたいと思います。

シャツ・ロンT

具体的なものというよりはジャンルとして、直感的にどちらが大人っぽいと感じますか。

多くの方は「シャツ」ではないかと思います。

では同時に、どちらの服が着るのが楽か、着やすいか。

これはどちらかといえば「ロンT」ではないですか?

そもそもシャツのボタンって6つや7つも必要なのか。襟って必要なのか。ワイシャツの場合アイロンがけもしなければいけない。(洋服の成り立ちや歴史に立ち入ってしまうと、それはそれで一冊の本ができてしまうほど、奥の深い話になってしまうので、今回は別とさせてください。笑)

言葉にしてしまうと、シャツの方が不便な気がしてきます。

では他のケースも。

スウィングトップ・テーラードジャケット

どちらも大人がカッコよく着られるアイテムですよね。

もともとの成り立ちが全く別のアイテムで比較するのは強引なところがありますが、その中でも大人っぽさという点で、あえていうならテーラードジャケットに軍配が上がると思いませんか。

こちらもシャツと同じで、そもそもテーラードジャケットの襟の折り返しは必要なの?首元までボタンを止められた方が暖かくない?襟が開いてる分、Vゾーンとかのバランスも考えなければいけない、、、(くどいようですがジャケットの歴史などもかなり奥の深い分野です。特に気になってしまう方はお店に参考資料などはございますのでお声掛けください。)

ってなるとスウィングトップの方が楽じゃない?となってしまいそうです。

また僕が思う不便さの極地が、フォーマルな場でのスーツ。スーツの色、革靴の形、様々なルールがある上、スーツの生地自体も家庭での洗濯が難しかったりして、「スーツでいるのが一番快適!」なんて人はいないでしょう。一方で一番大人っぽい格好と認知されてるのも、そういったスーツスタイルではないでしょうか。

その他にも素材でいうなら〜、ボタンとジッパーなら〜、いろいろ比較してみましたが、自分の中では大体不便なものの方が大人っぽいという結論に達しました。

無数にある要素のうちの一つ

一応誤解を恐れずに、思ったことを正直に書かせていただいたつもりですが、大人っぽい=めんどくさい=悪い洋服or敷居が高い洋服では絶対にありません。

逆に楽な洋服=子供っぽい=大人が着るのが恥ずかしいなどということも、もちろんありません。

人が洋服を組み合わせるとき、無数の要素が飛び交うはずです。その日の気分、最近のブーム、会う人、行く場所、天気、etc…

そんな風に無数にある感覚の中で、なんとなく、瞬間的に思う「大人っぽさ」のバランスを、少し突き詰めてみました。僕は今日出かける場所などに応じて、大人っぽさを感覚的に調整してみます。結局分けてみたところで数値にできるものではないので、感覚に頼っているんですけど。(笑)でも今までよりは自分の中で整理して、コーディネートを組んでみたり、お客さんに説明できそうです。

二面性を持つ「洋服」という文化

改めて、この「不便」という要素。合理的ではないと言い換えることができます。

僕もこういったブログや自身のInstagramを始めてから、一段と洋服のことを考える機会が増えました。その一方で「あれ?これ僕が前言ってたことと逆の結論じゃない?」という瞬間もあります。

でもそれは洋服っていうものが単純なものじゃない証拠かなって思います。

ワークウェア、ミリタリーウェアなどとして使われてきた強度重視、生産性重視の「道具」ともいえる合理的な面と、洋服の歴史を紐解き、非合理的な時間と手間をかけて物を生み出し、他の人の心を動かすような「芸術」ともいえる面が同時に存在するからこんな面倒なことになってるのかなって。笑

以前、とある科学者がTVで「自分の目的は人類のやってきた圧倒的な無駄の排除」と言っていました。

そのストイックな姿勢に感動したのと同時に、僕は「無駄」も「不便」もけっこう好きです。笑

10年着ても全くダメージを受けない、その上完全防水の洋服。

10年経つと色も変わるし、リペアも必要になるであろう天然素材の洋服。

ここまで読んでいただければ、僕がどちらを好きなのかは察しがつくと思います。笑

吉浦
この記事を書いたひと
吉浦 康太YOSHIURA KOTA | sas_yoshiura
1995年生まれ。2017年春より「SLOW&STEADY」で勤務をスタート。靴磨きが大好き。
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