S&S / INFORMATION Dec 30, 2024
Text:OKAZAKI MASAHIRO
352

皆さま、お久しぶりです。このブログを私が更新するのは、一体いつ以来でしょうか。
そして今回、今年最後の投稿に加え、記念すべき400投稿目を担当させていただくことになりました。これも何かしらのご縁かもしれませんね。

さて、本年も残すところあと2日となりました。すでにSNSではお知らせしておりますが、年内の営業は31日まで、新年の初売りは1月3日からとなります。今回は年末のご挨拶に加え、初売りで限定販売となる当店のスペシャルアイテムをご紹介いたします。少々長文となりますが、どうぞお付き合いください。

みなさまへ

皆さまのお力添えのおかげで、本年の営業も残りわずかとなりました。
2013年2月1日にオープンしたSLOW&STEADYも、来年で12周年を迎えます。
ここまで続けてこられたのは、ご協力いただいているメーカー様や職人様をはじめ、当店にご来店くださったすべての方々の温かなご支援のおかげです。心より深く感謝申し上げます。

2024年もまた、さまざまな出会いや感動にあふれ、笑いあり、涙ありの1年でした。
田舎の小さなセレクトショップとして、どのように何を発信していくべきか。開業当初から考え続けてきましたが、
今年は私たちなりの表現方法や理想の形、その「輪郭線」を描き始めることができたように思います。

2025年は、この輪郭をより明確に、強く打ち出していく1年にしたいと考えています。
そのためにも、スタッフ一同、さらなる努力を重ねてまいります。
今後とも変わらぬご支援を賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。

年末のお忙しい時期とは存じますが、皆さまにとって、光り輝く素晴らしい新年を迎えられますよう、
心よりお祈り申し上げます。

SLOW&STEADY 代表
岡崎 昌弘

SEIL MARSCHALL × SLOW&STEADY “Weekend Traveller”

ここからは、新年1月3日より販売をスタートするスペシャルアイテムについてお話しさせていただきます。

皆さま、SEIL MARSCHALL(サイルマーシャル)というブランドをご存じでしょうか?
1896年にドイツで設立され、現在も家族経営を続けているアウトドアメーカーです。もともとはロープ専門の工場としてスタートし、現在ではそのロープをはじめ、洋服、靴、カバン、テントなど、アウトドアには欠かせないこだわりの製品を手がけています。

「使うことで消費してしまわないもの」「経年変化を楽しめるもの」というポリシーを掲げ、全商品を最高級の天然素材で製作。熟練の職人たちが100%ハンドメイドで生産を続けていることも、このブランドの大きな魅力です。

当店では、10年前にフランクリーダーのエージェントMACH55から紹介いただき、開業当初から不定期ながら取り扱いをさせていただいております。今回の別注アイテムである”Weekend Traveller”というボストンバッグに出会ったのも、その頃のことです。

その名のとおり、週末1泊〜2泊程度の旅行に最適なサイズのボストンバッグです。私は気に入ったバッグを何年、何十年と使い続ける性分ですが、このバッグはまさに質実剛健を体現した一品。厚手のコットンツイルと牛革のコンビネーション、頑丈な持ち手や付属品、上下でセパレート構造になった仕様、大きめの内ポケットなど、どれをとっても私好みでした。

もちろん、個人的に購入したのは言うまでもありません。それ以来、出張や旅行はもちろん、アウトドアでも愛用し続けています。お客様にもぜひご紹介したいと思い続けていましたが、このモデルはいつの間にかラインナップから消えてしまい、長らくオーダーすることが叶いませんでした(2025年から再スタート予定とのことです)。

そんな中、「どんな洋服にも合わせやすい黒が欲しい」という個人的な思いが強くなり、それなら別注として皆さまにもお届けできないかと考えました。今年の初め頃、ブランドにお願いしたところ快く応じていただき、今回のスペシャルアイテムが実現しました。

SEIL MARSCHALL × SLOW&STEADY
“Weekend Traveller”
¥96800 (TAX IN)

2025年1月3日 12時より店頭、WEBに販売開始

私自身、このバッグに対してなんの不満もありませんので基本的な仕様は一切変更していません。通常ラインナップには存在しない単色ブラックにすることでアウトドアブランド特有の土臭さを軽減させ、より幅広いスタイルにマッチする鞄に生まれ変わりました。

私が長年使い続けているバッグ(手前)との変更点は、強度がさらに向上している点です。具体的には、持ち手の付け根部分が真鍮ビスで固定される仕様にアップデートされ、補強部分の革パーツもより大きくなっています。

私自身、大雑把な性格ですが、このバッグは10年間使用してもびくともしませんでした。それを踏まえても、新しい仕様は10年どころではない、さらに長いスパンでの使用を考えた改良だと思います。

底部分には厚手で上質な牛革が使用されており、従来と同様に思う存分エイジングを楽しむことができます。

上下で2部屋に分かれた構造になっているため、荷物の種類に応じて、例えば洗濯物やシューズなどを分けて収納できるのも非常に便利です。

17cm × 21cmとやや大きめの内ポケットにはジッパーが付いているため、貴重品なども安心して収納できます。

肩にかけても余裕のあるストラップの長さも個人的には嬉しい部分。ただでさえ出張時など荷物が多いシーンで使う鞄ですから、ショルダーできない長さであれば途端に使いづらくなります。

オリジナルで製作された真鍮パーツもまた、歴史に裏付けられたプライドを感じます。

最後に

「自分たちのフィルターを通したものを丁寧に販売したい」

冒頭でもお話しさせていただきましたが、これは私自身がこの12年間、肝に銘じてきたことでもあり、スタッフに常に伝え続けてきたことでもあります。

ひとたび樹海に足を踏み入れれば、コンパスも効かなくなると聞いたことがあります。私自身、何の経験も知識もない状態で今から自分らしい新しい洋服を選ぼうとしたなら、途端に迷子になってしまうでしょう。それほどまでに、現代社会は星の数ほどのモノで溢れかえっています。物を購入するエンドユーザーにとっては、帰る場所もゴールも見えない状況です。そんな中で私たちがすべきことは、リアルな実体験を通じてその先にある選択肢をお伝えすることだと考えています。

物が語りかけてくる本当の言葉や感動を伝えるためには、私たち自身が実際に長年使い続けてきたものを土台にし、お客様一人ひとりに合わせた提案を行うことが、誠意でありプライドであると信じています。もちろん、これは私の考えに過ぎませんし、答えが一つであるわけではありません。しかし、今回ご紹介したこのバッグのように、「これは間違いない」と自信を持って断言できるアイテムを皆さまにお届けしたいと思っています。

決して広い道ではありませんが、皆さまにとって「正解だった」と思えるルートをこれからも精一杯切り拓いていきます。
そんなわけで、2025年もSLOW&STEADYをどうぞよろしくお願いいたします!

この記事を書いたひと
岡崎 昌弘OKAZAKI MASAHIRO | at_slowandsteady
1981年生まれ SLOW&STEADY 代表。18歳の時より地元の古着屋へ勤務。その後同じく県内のセレクトショップ勤務を経て2013年「SLOW&STEADY」をオープンさせる。ブログとは別で文章形SNS『NOTE』にて洋服にまつわる記事を毎日更新しています。 『NOTE』 https://note.com/slwanstdy
PAGE TOP