「10th Special item Release Event」と題して11月18〜19日の2日間にわたり開催しました FRANK LEDER エージェント「MACH55 Ltd」との店内イベント。
おかげさまで多くの方に足をお運びいただき、大盛況のうちに終了いたしました。
そんな開催を記念し、「MACH55 Ltd」代表の長谷川正博氏に今回改めて「FRANK LEDER」とは一体なんなのか、お話をお伺いしました。

洋服を愛するすべての方へ贈る、当店からのクリスマスギフト。
どうぞご一読ください。 Interviewer:Okazaki|SLOW&STEADY
Date:2023/12/25

InterviewHasegawa / MACH55 Ltd

Okazaki
FRANK LEDERのエージェントとなって何年ですか?
Hasegawa
2001年にロンドンで初めて出会い、彼らがベースをベルリンに移した2002年から正式なエージェントとして一緒に仕事をスタートしたので、20年、21年目になると思います。
Okazaki
長谷川さんにとってFRANK LEDERとはどのようなブランドですか?
Hasegawa
2000年初め、当時のMACH55 Ltd.はELEY KISHIMOTOなどWOMEN’S が中心の海外エージェントとして活動していました。 MEN’Sブランドについては、ビジネスをするよりも自分が好きか嫌いか、という感情が先に入ってしまうので、取り扱うのを意図的に避けていました。
そういった理由で当初FRANK LEDERはビジネスというより、自分が好きで着たいので輸入をしていて、それをまわりの友人達に「いいだろ?」と紹介していたのがスタートです。
なので、私にとっては好きでいつも身近にあって当然の、空気、家族、ゴハン、のような大事なブランドです。
Okazaki
FRANK LEDERにとって長谷川さんの存在は非常に大きいと思います。僕の感覚としては長年、2人3脚で歩んできたような印象を受けますが、長谷川さんが思うFRANK LEDERとはどんなデザイナーですか?
Hasegawa
FRANK LEDERはとても“博識”なデザイナーです。洋服の専門的な知識だけでなく、いろいろな雑学に関する幅広い分野の知識を兼ね備えた人です。もし彼がファッションに携わっていなければ、多分、映画の監督が一番向いていると思います。きっといい映画撮るよ。
Okazaki
FRANK LEDERの過去から現在のラインナップを通して、ブランドとしてどのように変化していますか?長谷川さんの主観や感覚的な部分も含めて教えてください。
Hasegawa
FRANK はロンドンの芸術大学であるセントラルセントマーチンの出身で、その卒業ショーで今は亡き、アレキサンダー・マックイーンに大絶賛されたことは有名な話です。
ブランドスタートして初め数年間は今よりずっとエッジの効いたデザインが多く、そこにヴィンテージの生地やデットストックのボタンなどのパーツを組み合わせており、コレクションも小さく、今思うととても難解なブランドでした。そしてそれがとても新鮮でした。(近年のコレクションの中でもアーカイヴグループとしてその一端を見ることができます。)
現在は時を経てそのエッジも程よく取れてきた。ワインでいうところの熟成したうま味が出てきていると思います。
Okazaki
現在、数えきれないブランドがある中で、僕が店で取り扱いを始めてから約11年、FRANK LEDERというブランドは常に一定のポジションを確立しているような印象を受けます。その理由、つまりはなぜFRANK LEDERの洋服が長年多くの人に愛され続けているのでしょう?
Hasegawa
一番大事なことはFRANK LEDERの物作りに対しての姿勢が20年間、全くブレていないこと。これが簡単そうでなかなか出来ることじゃない。人が様々な生き方をしている中で、FRANK LEDER のブレないそういった姿勢が彼の服に袖をとおすことで、彼の琴線にふれるというか、チューニングが合うのかもしれません。
Okazaki
長谷川さんが思うFRANK LEDERの魅力を教えて下さい。
Hasegawa
"いいよなぁ"としか言いようがありません。その魅力を知りたければ、まずは1着、そでを通してみてください。"沼り"ますよ。
Okazaki
長谷川さんが思う良い洋服とはなんでしょう?
Hasegawa
"想像力を掻き立ててくれる服"
これは作り手の想いだったり、また自分でこの服を着てあーしたい、こーしたいと想いを巡らせることができる服。最高だね。
Okazaki
長谷川さんに初めてお会いして『簡単には売れないけどやってみろ』って即座に取引を決めてくださってから11年です。長谷川さんからみてSLOW&STEADYはどんな印象ですか?
Hasegawa
まずは10周年、おめでとうございます。僕がとやかくいうよりも、オカが自身の地元である徳島で11年前に立ち上げたお店” SLOW&STEADY ”の旗を高く、高く、掲げ続けていること。"SLOW&STEADY"の旗の元にはみんなが集まる。これが証。ほかに説明の必要なし。  
Okazaki
国内のたくさんの大手さんから個人店まで多くのセレクトショップを見てきたと思うのですが、長谷川さんが思う、良い店とはどんなお店ですか?
Hasegawa
これは洋服を扱う店に限った話ではないけれど、やっている人がまず楽しんでいること、じゃないかと思う。良い店ってみんなそうでしょ?
Okazaki
これが最後の質問なんですが、僕自身、お店を始めてから10年以上経ち、やりたい方向性というものが明確になりつつありますが、長谷川さんが現在抱いている夢などはありますか?
Hasegawa
今、聞かれたら、そりゃ"世界平和"と"SLOW&STEADYの増々の成功"でしょ!

outro対談を終えて

長谷川さんとお会いしてお話を伺うたび、 何か胸の奥から沸々と湧き出す、ある種の「熱」を感じてなりません。

それは洋服に対する情熱、長谷川さんご本人から発せられる「人間力」に感化され生まれたもので、この「熱」こそ、素晴らしい洋服を伝え、広げていくうえで最も大切な要素です。

僕がFRANK LEDERを愛してやまないのは、FRANK LEDERが生み出す洋服に、長谷川さんの「熱」がパッケージされているからなのでしょう。

さらに洋服を提供する立場の僕らが、その上からそれぞれの想いをのせてお客様にお届けする。ブランドに関わる人すべての想いがレイヤーとなって、洋服をより一層輝かせる。

年齢問わず、洋服を愛する皆を心から熱くさせる。それがFRANK LEDERの最大の魅力なのだと、今回のお話を通じて改めて感じました。

長谷川さん、今回は貴重なお話をありがとうございました。
また次回、お話しできることを楽しみにしています。

SLOW&STEADY 岡崎