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2015-11-20 Update

制約がある中で自分の個性を出すことの難しさ

岡崎 では、ここからは質問タイム、ということで森島さんに何か聞きたいことがあるという方は、ぜひ手をあげていただいても良いでしょうか。

―― 森島さんはボンクラをどんな人に着てもらいたい、と思って作られてるんですか?

森島 それな、正直どんな人にも着てもらいたい。もちろんお洒落な子が着てくれても、そうじゃない子が着てくれてても嬉しいねん。
だって最近サロンにきてるお客さんでも初ボンクラって子がめちゃ多くてな。ここ10年ぐらいジーパンはいてないですみたいな。そこで目覚めてくれて、例えばボンクラを着る事で洋服以外でも何かしらの芽が育ってくれたらええなとおもてんねん。

―― さっきの話で、『服は表現ってしやすいけど難しい』とおっしゃってられていましたが、具体的に聞かせていただいても良いでしょうか?

森島 うん。人の体は手の数も足の数も決まってるのに、パンツの足3本には出来へんってこと。いきなり袖5本つけて、これかっこええデザインですねってならんやん。

―― …?

森島 じゃあ違う言い方をすると、5ポケットのデニムってある程度形が既にあるやん。あって、その上もの凄い制約があるやん。
例えばデニムのこのフロント釦(ボタン)は、なんで釦か分かる?

ボンクラのデニムにも表記してあるけど、シュリンクトゥフィットって、言葉のごとく縮みながら体に馴染む生デニムのこと。オレのデニムも一回も洗いのかかってない生のデニムの状態やから釦やねん。
フロントがジッパーのものは防縮加工してあるもの。生地が縮んでジッパーが縮めへんかったらジッパーの金具の部分が歪んで閉められへんようになるやろ?だから殆どが一回縮めてある防縮加工のものやねん。だからリーバイズの501も他のワークパンツも当時フロント釦なのは当時その防縮加工技術がなかったから釦やねん。理にかなってるってこと。カッコつけて釦とかじゃあないねん。元々は。だからジッパーつけてるのは何かしらかの方法で処理はしてんねん。てことは、制約がすごいある中で自分の個性を出すのって定番的なアイテムほど難しくなる。そういう意味かな。

―― 森島さん、最寄り駅ってどこですか?

一同 爆笑。 (隣にいた友人が)すいません、こいつ鉄道に並々ならぬ情熱があって…

森島 そうなんや(笑)近鉄沿線。昔はおもろい店いっぱいあったからな。ほんま皆連れてってやりたいぐらい。他は?

―― 森島さんがカッコいいと思う男性はいますか?

森島 自分!(笑)

一同 爆笑

森島 そら返さなあかんやろー。関西人として(笑)

岡崎 でも前から他人になりたいとか、人の事を羨ましく思うとかって全く無いっておっしゃってましたよね。

森島 そうやねん。男やからこいつはライバルとかそういうのは思ってた時もあったけど、今は全く意識してないな。

岡崎 それも小さい時からですか?

森島 いや、小さい時はブルースリーに憧れてヌンチャク振り回して頭に当たって泣いてたけど(笑)そんな位はほらあるで。皆もあるやろ。
でもやっぱりこんな人になりたい、憧れるって言うのは元来少ない方かな。会った事もない人で、好きだなって思う人はおるけど。そういう興味はあるけど。
本当は会ってみなわからへんねんけどな。
皆もだいたいブログでしかオレのこと知らんやろ?

実際今日会ってみてうるさいオッサンやなって思ってるかもしれへんし・・・大丈夫?

一同 いやいやいやー、大丈夫です!

森島 そらよかった(笑)

岡崎 じゃあここら辺でそろそろ。洋服の事はこのあとゆっくり個別に質問してください。みなさんありがとうございました!

森島 ここでは聞きづらいことでも個別に聞くで。
変なことは聞いてこんといてや(笑)最寄り駅の質問も十分面白かったけど。

【対談:2015.09.26】【PHOTO: 金苗 健太】

PROFILE

森島久(BONCOURA)
10代からヴィンテージに興味を持ち、今日に至るまで膨大な量のヴィンテージ品に触れてきたデザイナー森島久。 「NIPPON MADEにこだわり、着込むほど経年変化を味わい、身に着けた人と一緒に成長し一緒に楽しめる!」をブランドコンセプトに、 生地、縫製、細部の付属に至るまで徹底的にこだわりぬいた「モノ創り」で全てのアイテムを表現している唯一無二の誇り高き「NIPPON MADE」、それが森島久氏の創るBONCOURAです。
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