S&S / INFORMATION May 25, 2025
Text:Ueno Yuto
今日は社員になって2ヶ月経った今の気持ちを率直に綴りました。ぜひご一読ください。
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こんにちは、上埜です。

今年の4月に正式にSLOW&STEADYの社員となってから、約2ヶ月が経ちました。「たったの2ヶ月」と言えばそうかもしれませんが、今日はこの短い期間で自分自身に起きた変化について、率直に綴ってみたいと思います。いつもとは少し違ったテイストではありますがよろしければ最後までお付き合いください。

社員として働くこと

まず社員になってみてですが、正直、業務内容はアルバイト時代とほとんど変わっていないといっても過言ではないです。お客様の対応に始まり、在庫管理や服のたたみ直し、掃除、ブログの執筆…これらはアルバイト時代から行っていたことです。

何が変化したか。

それは、「洋服屋として働く上での意識」です。
そしてこの意識の変化こそが、日々の業務を支える“土台”となる大切な部分ではないのかと最近感じ始めています。

例えばお客様との対応。もちろんこれまでも、お客様一人ひとりに寄り添い、より良い洋服選びができるよう努めてきました。でも、今思えば、その多くは直感的な判断に頼っていた部分が大部分でした。
直感が悪いということではありませんが、それだけで「本当に寄り添えているのか?」と、改めて自問するようになりました。そこから私は、「なぜこの洋服を勧めるのか?」「その提案は本当にお客様のためになっているのか?」そうした問いを持ち続けながら、以前よりも深く、丁寧に洋服を提案できるように考えるようになりました。

掃除や服のたたみ直しといった業務についても同様です。「習慣だから」「やるべきことだから」となんとなくこなすのではなく、「なぜ今この掃除をするのか?」「どうすればもっと気持ちのいい空間をつくれるのか?」そんなふうに、目の前のことにひとつひとつ意味を見出そうとするようになりました。

自分のコーディネートの変化

この変化は、自分の服の選び方にも現れました。
しばらく着ていなかった洋服を前に、「なぜ着なくなったのか?」と自問するようになったのです。その結果、自分が“楽をしていた”ことに気がつきました。

「コーディネートを深く考えず、なんとなく決まったパターンで済ませていたな」
「ちょっと考えれば、もっとその服を活かせたんじゃないか」
そんな気づきの連続でした。

思考のクセに気づき、それを手放したことで、洋服を選ぶことが一段と楽しくなりました。あの頃、初めて服に夢中になった頃とはまた違う視点で、洋服を見つめられるようになった気がします。視界がひらけたような感覚。世界の見え方がぐっと変わったのです。

まとめ

社員になったことで、業務が急激に変わったわけではありません。

けれど、「働くということ」「洋服に向き合うということ」への姿勢が、大きく変化したのは確かです。そしてその変化が、日々の積み重ねや、ひとつひとつの選択を、より意味あるものにしてくれていると徐々に信じ始めています。

目の前の一着の服が、誰かの暮らしを少し豊かにする。時に人生を大きく変えることもあることは、当店の常連様たちと店長の会話を聞いていれば明確です。

その事実を踏まえて、洋服屋としても社会人としてまだまだ新米ではありますが、こうやってあれこれと考え続ける毎日、つまり「“なぜ”から始まる毎日」が自分に今までにない充実感をもたらしているのは確かです。

だからこそ、今あらためて思うのは、たとえ目に見える成果がすぐに出なくても、日々の姿勢や小さな気づきの積み重ねが、確実に未来の自分をつくっていくこと。これからも、初心と問いを大切にしながら、洋服と真摯に向き合っていきたいと思います。日々の何気ない作業にも、そこに込められた意味や背景を丁寧に掘り下げていきたいと思います。

そしていつか、自分が選んだ一着が、誰かの人生の一瞬を照らすことができる。そんな洋服屋でありたいと静かに燃えています。

そんなわけで、1年に数回ぐらいはこういった個人的な日記のようなものも皆様にお届けしていこうと思いますので応援のほどよろしくお願いします!

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この記事を書いたひと
上埜 勇登Ueno Yuto | sas_yuto
2000年生まれ。洋服好きが高じて2023年よりSLOW&STEADYスタッフに。洋服と向き合いつつ日々勉強中。
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