S&S / BLOG Jul 17, 2020
Text:OKAZAKI MASAHIRO
いつもそばにあるもの。永久不滅の一軍。今回のサードをリリースしたあとは完全に引退します。渾身のラストリリースですので皆様ぜひ!!
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約2年前にファーストをリリースしてから本当に沢山のお問い合わせ、ご要望をいただいています “MIL TROUSERS MOD” もともとこの別注アイテムは、当店取り扱いブランドであり、15年以上にわたり公私ともにお世話になっている 【PHIGVEL】の皆様にご協力いただき、僕の大好きな “MIL TROUSERS” を再構築していただいたものです。詳しくは過去のブログをご確認下さい。

ファーストリリース時のブログ
セカンドリリース時のブログ

3度目の生産をするにあたって、今回は過去のモデルと違う点、修正点などを中心にご説明します。

生地について

今回使用しているのは、フレンチサージと呼ばれる綾織物。もともとフランスの名作カーゴM47とミルトラウザーを掛け合わせて昇華したのがこのアイテム。だからこそラストリリースとなる今回は原点回帰ともいえる実直な生地を使いました。

フレンチサージ:フレンチビンテージの労働着から着想を得て作成したフランス綾素材。 縦糸には強さを持たせるためコーマの双糸を使用、緯糸には生地の粗さを持たせるため、敢えてカード糸の太番手を単糸で使用しております。 そうした織り方により綾の角度は45度に近づき、綾と綾の間隔が開いた綾目がはっきりと立った生地に仕上げています。 ハリとコシのある強靭な生地なのでヘビーデューティな使用が可能。

※どちらかといえばダック生地を使用したファーストのフィーリングに近い生地です。

French Olive

(写真左から)ファースト、セカンド、サード

僕のはエイジングが進みすぎて比較が難しいですが、M47の後期などによく見られるカラーを参考に、今回は今までリリースしたオリーブより深いグリーンにしました。

色味を深くすることで少し重みが増し、秋冬コーディネイトにも使いやすく、ファーストやセカンドとも違った印象で履いていただけるはずです。

Black

写真左:ファースト 写真右:サード

ブラックに関しては、普通に黒パンです笑。真っ黒のパンツが好きなのでこれは外せません。生地が変更されたことでエイジングは当然違ってきますので、そこら辺は僕も非常に楽しみ。それにしてもオリーブにしろ黒にしろ履きすぎですね..笑

Vintage Red

今回、新色となる Vintage Red (ビンテージレッド)この色についてはかなり悩みました。

写真右は、僕が持っている1950年代のヴィンテージフィッシャーマンスモック。真ん中は10年以上前にリリースされたPHIGVELのパンツで未だに自分がレギュラーで履き続けているもの。このパンツと同じ生地をファーストのリリース時に再度製作していただいたほど、個人的に思い入れの強いパンツです。

PHIGVELプレスの田上氏にお願いしたのは、「経年して徐々にこの2つのアイテムに近くなっていくような “赤” ヴィンテージのアイテムがタイムスリップして新品に戻ったようなイメージです」と伝えました。

子供のような説明で非常に申し訳なかったと思っていたのですが、仕上がってきたサンプルを見たら僕の意図を十分に汲み取って頂けているのが分かり、あながち間違ってなかったと少しホッとしてます笑。

この赤色系の軍物は主に兵器、例えば大砲などを扱うクルーが着用していたそうです。フィッシャーマンスモックや、ハンティングジャケットと同様、視認性を重視してこの色なんでしょうね。

受注生産にした理由

他の別注アイテム同様に、今までは当店が必要だと思う数量を事前に作り販売していましたが、今回は完全受注生産での販売となります。※リリースは10月末頃を予定しています。

その一番の理由は「買えなかったって人を作りたくなかった」ってこと。もともと少しだけ作ってプレミア感を出したいなんてこれっぽっちも思っていません。たまたまご好評いただき、数量が足りなかったという結果です。セカンドに関してはファーストより大幅に増量して挑んだんです。ただそれでも足りなかった。

だから買えない人が多く、未だに欲しいと言ってくださる人も沢山いてくださる今の状態はただただ申し訳ないって思っていました。その上でこのコロナウィルス。

みんなが不安で大変な時だからこそ、少しでもテンションが上がる物を。だからリリースするにしても今までのように買えない方がたくさん出てしまうようなシステムでは、普段以上にストレスになるかもしれないと考え、PHIGVELの方々のご了承のもと受注生産でのリリースとさせて頂きました。

欲しいと思ってくださる全ての皆様に販売させて頂き、このMIL TROUSER MODの製作は終了します。今後どのようなご要望があったにしろ作りません。

それは、PHIGVELというブランドのイメージ、方向性、当店の方向性も頭に入れて考えると、売れるからとリピートを続けることはかっこよくないと思うしやりたくないからです。

当たり前ですがリリースするからには今まで以上の物を作りたい。色にしろ、サイズ感にしろかなり時間をかけました。(ウエストも1cm大きくなっています)そんな細かい微調整を行うことで、より一層、毎日履いていただけるパンツを目指しました。

予約方法について

【MIL TROUSER MOD 3rd】36850円(税込)

■7月18日の午前11時からホームページ上での予約をスタートします(7月26日の20時まで)
■ご予約をご希望の方は【お名前】【郵便番号】【ご住所】【ご連絡先】【希望の色、サイズ】を明記して『予約希望』と明記のうえ、お問い合わせボタンよりご予約ください。複数枚のご予約も可能です。
■受注生産ですのでご予約後のキャンセルはお受けできませんのでご了承ください。

【県外のお客様のご予約について】
■ 商品の納品は2020年10月末を予定しております。
■ 納品日が確定した時点で随時、ご予約のみなさまにメールをさせていただきますので納品日までにお振込ください。(送料は無料です)
■ トラブルを避ける為、この商品についてはお振込のみのご対応とさせていただきます。

【県内のお客様のご予約について】
■ 商品の納品は2020年10月末を予定しております。
■ 納品日より1週間(7日)以内に店頭にてご精算をお願いいたします。

最後に

余談ですが、今回のブログ撮影場所には僕の実家を使いました。

人一倍思い入れが強いアイテムの最後のリリース。いわば自分の近くにこれからも在り続けるパンツだからこそ、自分が一番安らげる場所で撮影したかったんです。

撮影途中、オカンの差し入れがあったり、近所のおばちゃんに絡まれたりして笑。

そんなこともしたくなるほど、僕にとっては当たり前にそばにあって欲しいと思えるパンツです。永久不滅の一軍パンツだからこそ僕の等身大でいられる場所で。

農業を営む家庭で育ったから、店の内装もそれを感じさせる空間に仕上げました。結局、好きなものや好きな場所って自分の実体験から構築されていくものではないでしょうか。

たとえ切り株に座り込んでも、道路に座り込んでも、タフでガシガシ使えるものってやっぱり好きなんですよね。

お客さんたちによく「どうしたらそこまでエイジングするんですか!?」って言われるんですが、答えは簡単、単純に雑なんです笑。どう使っても、エイジングしてもそれが僕の洋服だと堂々と着ていられるもの。その最たるものが今回のこのMIL TROUSER MODだと思っています。

そんなわけで皆さま、本当にこれが最後です!!ご予約期間は18日11時から26日20時までとなっております。

皆様のお問い合わせを心よりお待ちしております。

この記事を書いたひと
岡崎 昌弘OKAZAKI MASAHIRO | at_slowandsteady
1981年生まれ SLOW&STEADY 代表。18歳の時より地元の古着屋へ勤務。その後同じく県内のセレクトショップ勤務を経て2013年「SLOW&STEADY」をオープンさせる。ブログとは別で文章形SNS『NOTE』にて洋服にまつわる記事を毎日更新しています。 『NOTE』 https://note.com/slwanstdy
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