S&S / INFORMATION Apr 23, 2017
Text:OKAZAKI MASAHIRO
パンツの長さって意外と肝心。今回は当店で実際にお勧めしている標準のレングス、また合わせるシューズによってのロールアップ位置などをご紹介します。
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せっかく良いパンツを選んでも、パンツのレングス(長さ)、裾上げの位置をミスしてしまうと台無し。
けれどその時のスタイルや合わせる靴によって、結構パンツのレングスって難しいものです。
着用と洗濯を重ねれば生地の伸び縮みも出たりしてしまいますし、なおさら厄介です。

僕はその時のシューズやトップス、気分なんかでパンツのレングスを微妙に調整したりしてますが、店頭でも「このパンツはどれくらいのレングスで履くと良いですか」といった質問が多く、今回は一度、パンツのレングスについて改めて書いてみようと思います。※あくまでスーツスタイル(フォーマル)ではなく、今回は普段履きのパンツを想定とします

(1)太くも細くもないスタンダードなパンツの場合

まずは、太くも細くもないスタンダードなシルエットのパンツ。
いきなりですが、こちらはNG例。ダボつきが大きく、こういう状態で履いてしまうと せっかく良いパンツを履いていてもどこか野暮ったく感じてしまいますし、何よりもシューズが格好良く見えませんよね。
では、どうすればいいか…

こちらが正解。
ほんの少しのことですが、当店では シューズの甲部分に程良くパンツの裾がかかり、軽くワンクッションがつく程度のレングス設定にしています。

・ワンクッション  靴の甲に裾がしっかり当たり1折りできる程度
・ハーフクッション 靴の甲に裾がさわる程度
・ノークッション  靴の甲に裾がまったく当たらない長さ

さらにこの長さだとロールアップすると足首が若干見え隠れするぐらいなので、その日のトップスやシューズで使い分けていただくことも可能です。

注意:靴自体にボリュームがない場合

ここで一点注意しておきたいところですが、靴自体にボリームがないタイプ(モカシン・スリッポン・ローテクスニーカー など)と合わせると、
今度は裾がシューズにかかってしまうとどこかモタついた印象になってしまいます。

そこで、こちらが正解。
通常の位置からさらに1折り分ぐらい上で履くと より足元がすっきり見えます。
この場合できるだけ裾が地面と平行になっていることを意識してロールアップすると◎

ロールアップの幅について

ロールアップの幅も、あまりに太いと野暮ったくなったり、スタイルが限定されてしまいます。
ただ、そこは人それぞれで好みが分かれる部分でもあると思いますが当店では、

・通常の5ポケットパンツ・チノ などは「2〜4cm」程度
・ペインター・ベイカーパンツ・カーゴパンツ などは「3〜5cm」程度

を、お勧めしています。

(2)テーパードの効いた細めのパンツの場合

続いて、テーパードの効いたパンツについて
また早速ですがこちらはNG例。レングスが長いと、せっかくのパンツもどことなく安っぽく感じてしまいます。
僕自身も10代後半の古着屋時代にはこのレングス感だったと思うのですが、今見るとどことなく清潔感に欠けた印象になってしまいますね。

こちらが正解。
先ほどのスタンダードなシルエットのタイプよりも数センチ短く、クッションが入るか入らないかぐらいで履くのが丁度良いかと思います。

さらに、このレングスのテーパードパンツなら、ローファーやスリッポンのようなあまりボリュームのないシューズとの相性が良いですよね。

逆に、ややボリュームのあるシューズの場合には、裾がシューズにかかるかからないかギリギリのあたりに若干ロールアップしてあげることで、少し裾にボリュームが出ますので、シューズとのバランスも取りやすくなります。

(3)半端丈のワイドシルエットパンツの場合

最後に、少々イレギュラーではありますが、半端丈のワイドシルエットパンツの場合。
半端丈のワイドシルエットパンツは、レングスがもともと短めに設定されていますので、パンツを履く際の腰の位置で微調整して頂ければ良いかと思います。

正直、このタイプのパンツは、アイテムによって適正のレングス位置が異なるので、長さの良し悪しを一概に言いにくいところがありますが、合わせるシューズに悩まれる方が当店では多い印象です。
ワイドシルエットパンツを履きなれていない方は、サイドゴアブーツやペコス、または(靴の先が丸すぎない)プレーンタイプの短靴なんかを合わせると可愛くなりすぎず簡単に履けるのでおすすめです。

まとめ

今回は、当店がおすすめしているレングス設定を、大きく3タイプのパンツに分けて書いてみました。
ここから、よく着る洋服・シューズなどに合わせて、自分なりのベストな長さを導き出して頂ければと思います。

ちなみに、上記はあくまで「基準」ですので、例えば「あえていつもより短く切ってコーディネートを楽しんでみたりする」といったこともモチロンあり。
レングスひとつで全体の表情が変わる、改めて洋服の面白さや深さを感じられますよね。

購入したものの何故かあまり履いてないパンツってあると思います。
その原因がまさにレングス(長すぎたり短すぎたり)だったってことが多々あります。

お客様の中には、数ミリ単位で微調整される方もいらっしゃる程です。僕自身、パンツ類は最初に裾上げしてから数ヶ月で再度裾上げする、なんてことも少なくありません。
何となく気に入らないパンツのレングスを1〜2cm調整してあげるだけで、今まで眠っていたパンツが急にしっくりきたりすることもあるんですよね。

肝心なのは、しっくりきていないパンツがあっても、面倒くさいからってそのままにしておかないことです。

ただでさえ女性に比べて、ボトムのバリエーションが少ないのが男性。女性からしてみたら一見同じように見えるパンツでも、細かい部分で大きく印象が変わるのもまた事実。

当店では裾上げもシングルステッチ、チェーンステッチ、加工物などでそれぞれお直し屋さんを変えています(当店でパンツをご購入いただいた方は、シングルステッチであれば初回は無料で裾上げを行っています)。
ほぼすべての裾上げに対応できるようにしておりますので、レングスの長さや仕上がりなどで もし不安なことや分からないことがあればどうぞお気軽にご相談ください。

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この記事を書いたひと
岡崎 昌弘OKAZAKI MASAHIRO | at_slowandsteady
1981年生まれ SLOW&STEADY 代表。18歳の時より地元の古着屋へ勤務。その後同じく県内のセレクトショップ勤務を経て2013年「SLOW&STEADY」をオープンさせる。ブログとは別で文章形SNS『NOTE』にて洋服にまつわる記事を毎日更新しています。 『NOTE』 https://note.com/slwanstdy
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