S&S / INFORMATION Jul 19, 2026
Text:Ueno Yuto
暑い日が続く今日この頃。自宅のラックを整理をしていた時にある”気づき”が。そんな日常のふとした気づきから紹介したい一着がありましたので、ご紹介いたします。
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こんにちは、スタッフ上埜です。
徳島も梅雨明けを迎え、本格的な夏がやってきました。皆さまいかがお過ごしでしょうか。

先日、自宅のラックを夏仕様に整理していて気付いたのですが、夏によく着る洋服ほどエイジングが進んでいるんですよね。汗をかき、洗濯を繰り返すからこそ、生地は少しずつ表情を変え、自分だけの一着へと育っていく。色が少し褪せ、柔らかくなり、身体に馴染んでいく。その過程にこそ、洋服の本当の魅力があるのだと思います。

僕がFRANK LEDERに惹かれる理由も、まさにそこ。
今回ご紹介する一着も、そんな時間の積み重ねを楽しめる、ブランドらしい魅力が詰まったアイテムです。ぜひ最後までご覧ください。

【FRANK LEDER】VINTAGE STRIPED LINEN PULLOVER SHIRT

まず目を惹くのは美しい生地。
ヨーロッパのヴィンテージによく見られる深みのあるネイビーをベースによく見ると繊細なストライプがわずかに浮かび上がる。このストライプにより、光の当たり方やエイジングで生地そのものの奥行きが増し、独特の雰囲気を纏います。フランク自身が長年かけてヨーロッパ各地を巡り、その独自の審美眼で選ばれたヴィンテージファブリックだからこそ生まれる唯一無二の質感です。

リネン100%であるものの、現代で新しく織られた生地では中々表現できない、軽いだけのリネンでは表現しきることのできない深みや存在感もこの生地の魅力です。

このシャツのルーツとなっているのは19世紀から20世紀初頭にかけて主にヨーロッパの農夫や職人たちが着ていた作業着。
動きやすさを考え広くとられた身幅にゆったりとしたアームホール、簡素な襟に着脱のしやすいプルオーバー。そしてインする前提で長く設定された着丈。どれも作業着として効率化を図るために生まれたディテールです。

ヴィンテージをベースに空気感は残しつつ、現代でも着やすいように整えられたのが本作のシルエット。ゆったりした身幅や長い着丈はそのままにアームホールはやや細く、野暮ったくなりすぎないように調整。少し長めに設定された袖丈はロールアップするといい感じにくしゃっと溜まってくれる。ヴィンテージのここがもう少しこうなら…といった痒いところに手が届いたシルエットです。

「着丈が長いから難しそう。」

店頭でも、最初はそうおっしゃる方がチラホラいらっしゃいます。ですが、私自身、これまで店頭でFRANK LEDERのロングシャツを何度もご提案してきましたが、「やっぱり自分には合わなかった」というケースはほとんどありません。むしろ、「思っていたより自然に着られる」「意外としっくりくる」と、そのままお選びいただくことの方が圧倒的に多い印象です。身幅や着丈のバランスが絶妙だからこそ、着る人の体型を選ばず、不思議と馴染んでくれる。これもフランクリーダーならではの魅力なのだと思います。

男性が一枚でさらりと着るのは間違いありませんが、女性がワンピースのような感覚で着るのも非常に良いと思います。もちろん無理におすすめするつもりはありません。ただ、苦手意識がある方にも一度袖を通してみていただきたい。そう思う一着です。

また、実際に着用してみると思った以上に涼しいのも魅力。
リネンが持つ高い通気性と肌離れの良さが最大限活きるような風通しの良いシルエット。それでいて一枚で十分に雰囲気が出て、軽くなりすぎない他にない形と生地。日本のジメッとした夏の暑さを考えると、こういったシャツは夏の装いとしての一つの答えかもしれませんね。

まとめ

先日、ふと気になってChatGPTに「これから先、洋服はどう進化すると思う?」と聞いてみました。返ってきた答えは、温度を調整する服や、健康状態を管理する服、AIが一人ひとりに合わせてデザインする服など、まるでSF映画のような話ばかり。

でも、その答えの中で一番印象に残ったのは、「AIが進化すればするほど、人の手が生み出す服の価値は高まる」というものでした。効率よく、正確に、誰にでも同じものを届けられる時代だからこそ、その服がどこで、誰によって、どんな想いで作られたのか。どんな時間を重ねてきた素材なのか。そして、持ち主とともにどんな表情へ育っていくのか。そんな背景や物語に価値を感じる人は、これからもっと増えていくのではないでしょうか。

AIがどれだけ進化しても、服を育てることだけは人にしかできません。そんな未来だからこそ、一着の服と長く付き合う楽しさを、これからも皆さんと共有していけたら嬉しいです。みなさまのご来店を心よりお待ちしております。

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この記事を書いたひと
上埜 勇登Ueno Yuto | sas_yuto
2000年生まれ。洋服好きが高じて2023年よりSLOW&STEADYスタッフに。洋服と向き合いつつ日々勉強中。
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