S&S / INFORMATION Jul 14, 2022
Text:OKAZAKI MASAHIRO
東京を拠点としコンテンポラリーなアクセサリーをリリースし続けている「SRS」 この度、SRSが制作したST CHAIN BRACELET をベースに当店完全オリジナルパーツを使用したスペシャルアイテムが入荷しました。
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SRS CHAIN BRACELET -SLOW&STEADY SPECAIL ITEM-』

日々考え続けている “良いモノ” の基準。

20年考え続けてなお、簡潔な答えは見つかっていない。いや、答えの原石は集まってきつつあるが、まとまっていないと言ったほうが正しいのかもしれない。

現段階で答えられることは、
製品のバランス(クオリティー、デザイン、素材、縫製、製法)などに加えて、普遍性、社会性を兼ね備え、製品に付随する物語がブレていないモノ。

こんなところだろう。他にもたくさん考えていることはあるが、上に書いたことはこれから10年後も変わらないと断言できる。

この中でも私が人一倍、重視しているのはやはり『物語』である。

こんな時代だからこそ、目に見えない人の想いや繋がりは今後さらに重要となってくるだろう。物語を共有、共感することで、『作り手』『売り手』『手にするお客さん』この3者が、まるでひとつのクラブチームのように一体化する。

ひとつの大きな輪になるように。
それは、店のコンセプトでもあるこの英文にこめている。

『,,A LOT OF DOTS,,,BECOME A STRONG LINE,,,,SLOW&STEADY,,,,,(たくさんの点はやがて太い線になる)

店内の黒板

まさに今回紹介するのは、その私のイメージを最大限にモノにこめたブレスレットである。

まずは、作ってくれた『SRS』を紹介する。

SRSはデザイナー自身の手によって制作されるピースを通し、

身体に寄り添う優雅な構造とセンシュ アルな質感を提案する

コンテンポラリージュエリーブランドです。

Designer/

Umemura Sarasa

多摩美術大学絵画学科油画専攻卒業後、独学で彫金を始める。

2016年よりSRSを立ち上げ、デザインから制作まで一貫して手掛ける。

https://www.sarasaumemura.com/

デザイナーとの出会い

彼女と始めて会ったのは、おそらく4〜5年前ぐらいだろうか。
地元が徳島だということもあり、共通の友人がお店に連れてきてくれたのが始まりだった。

「彼女、色々悩んでるっぽいから相談乗ってあげて」

というノリで。その時は自分のブランドの打ち出しかたに悩んでいた。
「専門外なんだけどな…」なんて思いながら、作っているアイテムを見せてもらった。

「人見知りなんです」その言葉どうり、
全身から繊細なのが伝わってくる。
「下手なことは言えないな」と思いながら商品の説明をしてもらうと、自分が作っているものを話す時だけ、物凄い力強さを感じた。

私が偉そうに言えることではないが、自分が作っているものを堂々と出せないなら、きっとやめたほうがいい。

生み出す本人に自信が無いモノが予想外に売れるほど世の中は甘くない。

その点、彼女は違っていた。作るもの、作ることへの情熱、信念は人一倍持ち合わせていた。現に大手百貨店の催事オファーが絶えない。

ひとしきり話をした。
「頑張ってみます」と言ってくれたので、内心ホッとした。

「きっと先で何か一緒にやることになるだろうな」

私のこの直感はかなりの高確率で当たる。

それから時は流れ、今年の正月、私の直感どうり今回のブレスレット企画がスタートすることになる。

CHAIN BRACELET

正月、いつものように彼女はふらっと現れた。
事前の連絡なし。マイペースなのだ。

その時、彼女の手首に巻かれているブレスレットを見たとき、いつもとは違った感覚を覚えた。店で販売している風景が見えたのだ。

これを書くと彼女に怒られそうだが、私と非常に好みがにている部分がある。ブレスレットに関してもすでに私の理想的なデザインで完成されていた。

今、巷ではエルメスの『シェーヌダンクル』というモデルが火がついたように人気である。それを模したデザインのものも多くリリースされている。

『常に身につけるものなのに右向け右はどうかと思う』私も彼女もそう考えていた。

「このブレスレットに私の意思を込めて、
新しいものとして作ってくれないだろうか」

私の中で、明確なビジョンが見えた時点から、心の中ではスタートしていたが、改めてオファーをかけた。

彼女は、自分の作品が認めてもらえたと喜んでいた。謙虚すぎると少し怒った。

田舎の洋服オヤジの戯言などではなく、冷静に見ても、他のアクセサリーメーカーを見渡しても、十分に渡り合って結果を残せる作品ばかりなのだ。

ブランドが浸透しないのはマイペースすぎるだけだと私は思っている。
( 同じことを何度も電話で伝えたが、わかっていない笑 )

永遠を信じたい

私が彼女に伝えたのは、先ほど書いた店のコンセプトに加えて、一言だけ付け加えた。

『店が線になり、強くなり、(永遠に続く)』

コロナ、戦争、悲しくなることばかりが目に付くニュースばかりで、みんな疲弊している。私もそのうちの一人である。

でも、下を向いても始まらない。今こそモノの力をみんなに伝えたい。

漫画の世界じゃなく現実正解では『永遠』なんて言葉を使うこと自体が恥ずかしいとされているが、私は思わない。

人の想いは脈々と続く。子供から、孫へ。そうやって永く使い続けていけるモノだって実際ある。

時間をかけて生み出されるモノには心が宿る。
それを証明するためのブレスレットにしよう。
そう決めた。

マイペースな彼女だが、モノづくりに関しては文句なしの職人である。それを伝えた数週間後、

店オリジナルのエタニティーパーツの画像が送られてきた。

結果、このパーツだと着用時のバランスや見え方がほんの少し違和感があるので、サイズを細かく調整した。

数ヶ月後、

完成した。
文句なしの仕上がり。誤算といえば戦争の影響でシルバーの価格が一気に高騰してしまい、販売価格が想像より高くなってしまった。

作りなどを考えたら、それでも適正価格だが。

繰り返す日常

私は完成してから毎日このブレスをつけ、店に立ちいつもの日常を繰り返している。

繰り返す日常に彩りと活力を与え、使い続けることで沢山の物語が新たにストックされていくような『強い道具』がまたひとつ作れたことが何より嬉しい。

いいことあれば、悪いこともある。
山あり谷ありの繰り返しを繋ぐきっかけとなるアクセサリー。

手にした人にとって日々の添木のような存在。
それぞれの想いや願いを込められるようなモノになってくれたら嬉しい。


皆様にとって日々の添木のような存在。それぞれの想いや願いを込められるようなものを目指しました。

以下、noteより

僕の洋服物語|MASAHIRO OKAZAKI / SLOW&STEADY|note洋服屋を初めて20年以上が経ち、僕と洋服との「物語」は無数にあります。 そんな洋服、モノにまつわるアレコレを日記形式で紹介note.com

【お店作りに特化した記事を集めたマガジン】

僕の20年で得られたことで『店作り』や『販売』など仕事に直接結びつくこと。10年続くお店の秘密を随時更新していきます。
あなたの “夢を叶える道” を見つけるきっかけとなればこれ以上ない幸せです。

夢の道しるべ 〜20年の全てを教えます!〜|MASAHIRO OKAZAKI / SLOW&STEADY|note“これから店を始めたい” ”店の売り上げを上げたい” “本気でアパレルをやってみたい” “洋服について勉強したい” “夢をnote.com

【書いてる本人】

https://note.com/embed/notes/na22bd7ac1224

【外部リンク】

:ショップ・オリジナルブランド
「SLOW&STEADY」
http://slow-and-steady.com/
「Painted Blank」
https://paintedblank.com/
:instagram
https://www.instagram.com/at_slowandsteady/
:twitter
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この記事を書いたひと
岡崎 昌弘OKAZAKI MASAHIRO | at_slowandsteady
1981年生まれ SLOW&STEADY 代表。18歳の時より地元の古着屋へ勤務。その後同じく県内のセレクトショップ勤務を経て2013年「SLOW&STEADY」をオープンさせる。ブログとは別で文章形SNS『NOTE』にて洋服にまつわる記事を毎日更新しています。 『NOTE』 https://note.com/slwanstdy
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