世界をまたにかけて活躍する、ウルトラテクノロジスト集団『チームラボ』代表 猪子寿之さん。猪子さんの出身はここ徳島市。前の店長時代の職場は猪子さんの実家からとても近所でした。「僕が独立して、自分のお店をオープンさせたらぜひ来てくださいね」という僕の約束を覚えていてくださり、お忙しい中 お友達を連れられて、ふらりご来店いただきました。蝉の声鳴りひびく８月。徳島では街すべてが阿波踊りムード一色。…の、その熱気を夜に控えた夏の隙間の昼下がり。そんな中での猪子さんとの、ゆるく、そしてとてもリラックスした雰囲気が伝われば幸いです。
岡崎 猪子さんご無沙汰しております。
単刀直入に、『SLOW&STEADY』…どうですか？
猪子 いいでしょ！！！厚みがあって。大人の服好きが集まる感じで。
岡ちゃん『服好き』じゃん。だからお客さんも『服好き』が集まるだろうから。岡ちゃんが服好きじゃないと、お客さん服買ってくれないでしょ？だからすごくいいんじゃない？
強いて言うなら、ここは、徳島だからさ。人、全くいないでしょ。だから東京とは全く違ったやり方をした方がいいよね。都市はより超専門集団化していくけど、ここだと、お客さんの数も少ないし、そもそも店ないから、逆の方向、つまり、服だけじゃなくて、化粧水とかまで置いてみたらいいんじゃないかな。肌のケアとか髪の毛のこととか、もっとトータルでいろいろ相談にのってあげられるお店になったらいいかもね。たぶん、男は、そこらへん誰に聞けばいいかわかんないと思うから。お客さんと一緒に体鍛えたりしてね（笑）。
岡崎 そこまでのケアが出来ればいいですよね。猪子さんはジムとか行かれてるんですか？
猪子 行くよ。週１だけどね。会社の近所の雑居ビルにある小さいとこ。
50分くらいだけどかなり追い込むから実はパッキパキ。でも洋服着てたら分かんないでしょ。お姫様だっこするためにパッキパキ（笑）。
岡崎 なるほど（笑）。話を戻しますが猪子さんは『服好き』ではないんですか？
猪子 『服好き』じゃないね、おれ。…全く興味ないかもしんない（笑）。でも仕事一緒にしている人の服を着るようにしてるよ。ここもそうだし。今だと『VANQUISH』が多い。この服も靴も『VANQUISH』だし。お付き合いとかじゃなくて。好きな人の服着たいでしょ。あと仕事するならそこのユーザーになりたいし、ユーザーになりきった方がより理解できるし。それにみんな喜ぶじゃん。喜んでくれたほうがいいでしょ。
岡崎 心のつながりですね。僕も大事にしたい部分です。では、例えばそのブランドの中でも、自分に似合う似合わないは考えると思うんですが、どんなところを大事にして選ばれてるんですか？
猪子 そうだね。似合う似合わない…。いや、似合う似合わないというより…、そうね…。その話おもろいの？
岡崎 なるほど（笑）。すこし話を変えてみてもいいですか？１週間で７人の女性と遊ぶ男性と、最愛の人ひとりと過ごしてる男性と実際これってどっちがモテてると思います？
猪子 え？なに？どういうこと？
岡崎 突然ですいません（笑）。
長続きはしないけど女性を数多く落とし続ける男性と、ひとり最愛の人を捕まえて長いあいだ心を掴み続けられる男性と、猪子さん的にはどっちがモテてる男なんですか？
猪子 あ～。…どっちでもいい！（笑）おれね、他人にそんな興味ないの。基本的に。おれがどうしたいのかには興味あるけど、憧れとかないから。どういう人になりたいとかないから。人に興味がない…ってよりは、あ、人は好きだよ。人のことは好きだけど、あんまり他人に憧れとかない。
岡崎 じゃあ猪子さんって恋愛相談とか受けたりするんですか？
猪子 ないない（笑）。基本受け付けないし受けない。恋愛相談しないっしょ～？おれに（笑）。
岡崎 ぶっちゃけすごいモテそうですけど、結婚とかってどんな感じですか？
猪子 （凄い顔）
岡崎 （笑）。子供も作る気ないんですか？
猪子 子供は作る。きっと作るよ。ほしいとかでは全然ないんだけど。
…じゃあ、あれだよ。モテる方法おしえてあげる。モテる方法！
岡崎 それぜひ教えてください。
猪子 って言ってもいっぱいあるんだけど…。
でもそんなモテに興味ないでしょ？岡ちゃん。あるの？（笑）。
岡崎 ありますよ！いや、でもただ僕がモテたいって言うのは、女性だけじゃなくて男にもモテたいってのが大きいんですよ。
さらには数多くの女の子にモテるんじゃなくて、自分がこいつって決めた女にモテるやつになりたいって言う…。
猪子 へぇ～。そうなんだ。かっこい～。ってかゲットしてんじゃん。
岡崎 だから僕もモテてると思うんですよ。
全員 （笑）。
猪子 モテる方法は…。かっこいい男と一緒にいたほうが絶対モテるの。どんな観点でもいいんだけど、いわゆる『かっこいい男』といたほうがモテるのね。おれが発見した理論に『誰で濡れたか分かんなくなる理論』っていうのがあって…（笑）。
岡崎 どういう理論ですか（笑）、それ載せますよ（笑）？
猪子 うん（笑）。たとえば、しょぼい男にすごいありがちなミスがあって、合コンに自分よりモテない男と行くの。そうすると、自分よりモテない男をいっぱい連れてくことで、結局、集団としてもさらにモテなくなるじゃん。つまり、よーは、結局、濡れないじゃん。でもかっこいい男達と一緒に行くと、その集団がモテてるじゃん。例えば、ひとりの女の子がその自分が連れてったかっこいい男のせいで濡れたとするじゃん。でも結局そういうのって最後のほうは、誰で濡れたか分かんなくなってんの（笑）。
岡崎 それはすごい理論ですね（笑）。
…それなら逆もそうですよね？女性も、きれいな子の割合が高い集団でいる子のほうがモテてること多いと思います。
猪子 でしょ（笑）？ だから合コンは、…って合コンとか最近もうないよね？
…まだあるの？まぁ分かんないけど、でも絶対そういう場には自分よりモテるやつを連れてくべき。
岡崎 これ本当に載せますよ（笑）？
猪子 いいよいいよ。『だれで濡れたか分かんなくなる理論』（笑）。
岡崎 （笑）。あと個々でも何か気を使うべきようなことがあるならぜひ聞いてみたいです。
猪子 あ～。じゃあ服。服の話で言うと、その場所へはみんなおんなじ格好してったほうがいい。なんでかって言うと、制服とかのほうがカッコいいじゃん。おんなじような格好した方がいいの。むしろお揃いでもいいくらい。若い頃ね、まだうちの会社が無名の頃の話なんだけど、１３年前って、そんなに真っ黒のスーツってビジネスで今より着てなかったと思うんだけど、プレゼンに行くときに、必ず全員黒のスーツで行ってたの。わざとスーツの色を揃えて、白シャツに真っ黒のスーツで行ってた。揃えた方がカッコいいの。
岡崎 もともと会社始めたのって、動機としては何だったんですか？
猪子 動機？会社起こした？…（考え込む）
岡崎 なにかのインタビューで『一生青春を終わらせたくないから』っていうのを読ませてもらったんですが…。
猪子 大笑（手をたたいて）
岡崎 自分でしゃべったことにそんなウケなくても（笑）。
猪子 本当ひどいなと思って（笑）。
【左】小松隆宏 / watowa.inc CEO 代表取締役 www.atowa.jp 【右】小橋賢児 / www.kenji-kohashi.com
【対談：2013.08.13】
