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2017-03-10 Update

その完成度の高さと操作性の良さで全国のトップウォーターバスフィッシング好きから多大な評価を受ける ANYDOPE 中野氏。僕の釣りの師匠であり、服、釣り具と独自のセンスで物作りに取り組む GOODCAST 佐藤氏。今回は当店の釣りコーナーにおいて最重要とも言えるお二人に物作りについてと今月末 GOODCAST よりリリースされる「XEXE(クリークリー)」というルアーについて、お話をお伺いしました。

欲しいけど買えないって話を聞くと、需要にはしっかり応えたいなって思う

岡崎 では、龍平さんから簡単なプロフィールを。

佐藤 今は「大佐藤組」という断熱材の施工の仕事をしてて、今から17年程前に釣りのトップウォーターバスフィッシングのブランド GOODCAST っていうのを立ち上げて、服を作ってたな。服屋として売ったりもしてたけど。けどね、やっぱり服だけでは止まらなくて竿作ったよ、ルアー作る前に。

 (爆笑)

岡崎 僕なんかは、龍平さんが作った竿を見てかっこいいなって、トップウォーターの釣りを始めたのがきっかけです。きっかけを作ってくれたのが龍平さん。全ては GOODCAST から。

佐藤 ありがとう(笑)そう、「グッドロッド」っていう竿を作ったの。竿作ったら投げる物も要るなって思って。当時、僕たちの主流は用水路の陸っぱりでね。そこで足元まで動いて帰ってくるルアーは羽もんだってなって。で、削ったヤツがたまたま良くて。それがこの「クリークリー」っていうルアー。新作を近日中に発売する予定で。15年の時を経て(笑)

岡崎 その話は後でするとしまして…、ずーっと釣りしてた訳じゃないもんね、龍平さん。

佐藤 そーね。とりあえず離婚したな。釣りしてたら家庭が崩壊した(笑)夜な夜な釣り行ったらダメ。まー当時は勢いだけで色々やってみようと思って頑張ってたんだよね。服屋をやりながらバスウェアをやって。もうそのことばっかりに集中してしまって。ダメだね(笑)

▲ GOODCAST 佐藤龍平氏

▲ ANYDOPE 中野太郎氏

中野 僕はトップウォーターバスフィッシングに使うウッドルアーのビルダーをやらせてもらってます。

岡崎 ウッドのハンドメイドでしょ?

中野 ハンドメイドっていうのはちょっと抵抗があるっていうか、ハンドメイドの定義ってどこまでの手仕事をいうのかよく分からないんですよね。ハンドメイドっていうとナイフで木を削って、筆で色を塗るようなイメージでしょ。僕はルアーを作るのに木工は旋盤やボール盤も使うし、塗装にはエアブラシだって使いますから。ただ一人で作っているというだけで、ファクトリーでのライン生産と手仕事の内容はそんなに変わらないと思うんです。だから今はウッドルアービルダーって言ってます。

佐藤 めんどくさい奴だな!(笑)

中野 すいません(笑)販売は全国の釣具店にお任せして、僕はデザインから製作までをやってます。

岡崎 中野くんは、うちの店でも展開させてもらってる、 ANYDOPE のビルダーさん。大人気ですよね。今回はそのお二人にそれぞれゆっくりお話を聞きたいなと思ってます。まず、釣りとの出会いを最初にお聞きしたいんですけど。

佐藤 俺はもうザリガニから(笑)小学校3年くらいかなぁ。ちくわ買う小遣いもない時ね(笑)ちくわの皮を剥いで、輪になるようちぎって糸つけて落とすんだけど浮くのよ。だけどうまい奴は沈むの。何が違うか、すごく考えたりしてたなぁ。

中野 僕は田舎で育って、うちの家の目の前に農業用の用水路があってね、で、五目釣りを始めたのがきっかけで。小学校入るか入らないかぐらいの時。家の目の前が川だから、やり過ぎってくらいしてた(笑)僕はご飯粒を餌にして釣ってたんですけど、もう入れ食い状態で。

 (笑)

中野 餌をつけてウキが着水する前に魚が食うぐらいのすごいペースでね、バケツいっぱいになったら終わるみたいな豪快なことをやってて。で、やっぱり大物釣りたいなって思って、少し離れたところの川に行って鯉を釣ったり、そういう感じから始まりました。

岡崎 じゃあ、お二人は実際ブラックバスの釣りというか、トップウォーターの釣りのスタイルになったのはいつ頃からなんですか?バス釣りもスタイルが色々あって、その中でもトップウォーターにはまった経緯とかは?

佐藤 俺は中学の時にバスブームがあって、高校に入って一回やめてたんだけど、車の免許を取ったあたりからまた釣りに行こうってなった。ドライブがてら。でも俺全然釣れなかったのよ。来ても全部ナマズ。そんな時代もあった(笑)

で、22歳の時に東京のバスポンドでトップウォーターを知ったの。当時目黒に住んでてね、バスポンドも目黒にあって。惚れて衝撃受けてはまったね。

中野 僕がトップウォーターの釣りにハマったのは高校を卒業した頃でしたね。それまでは小遣いもあまりなかったからワーム使う釣りばっかしてて。竿一本を折れるまで使ったりしてた。最低限の道具しかなかったよ。でも大人になって自分で買えるようになってからは、少しでもデザインがいいものが欲しいなと思いだしてね。で、釣具屋さん行ったり色々本とか見て調べだした時に、スポーツザウルスの2000年のカタログを見つけてね。そこにあるバス釣りの道具がそれはもう、カッコ良くって…デザインにやられた。あと、則弘祐さんていう社長さんのファッションだったり、その人が乗ってる車とか、釣りをしながらのキャンプとか、そういったライフスタイルに完全にやられてしまって。それがきっかけでトップウォーターの世界に行ったって感じかな。

佐藤 だから、ザウルスのルアーいっぱい持ってんだ。

中野 そう。でもね、当時ザウルスのルアーってすんごい人気があって、全然買えなかったんですよ。常連にしか売らないっていう感じで。僕全然そんなことも知らなくて、お金を貯めてバステイマーっていうロッドを買おうとお店に行ったら、売れるかみたいに言われて(笑)誰でもすぐに買えるものじゃないぞみたいな。 当時は本当に欲しかったですね。でも全然買えなかった。

佐藤 カッコよかったもんな。

中野 その頃はとりあえずバステイマーは諦めるしかなかったから、それっぽい茶色のブランクの竿が欲しかった。ハタチぐらいの頃だったんですけど、トップウォーターフィッシングの世界にのめり込むほど、欲しい道具が買えない、手に入らない。昔はインターネットもないし、手に入れる方法もよく分かんない。レアもの探しみたいに頑張って買うみたいなそんな感じでした。でもね、そういうのがだんだんストレスになってきてしまって釣りから離れた時期もあったんですけど。

岡崎 噂で聞いたんだけど、モトクロスしてたとか?

中野 そうそう、オートバイが好きだったんでレースに出たりしてた時期があって。25歳ぐらいまでは少し釣りから離れてましたね。で、バイクレース熱がいったん落ち着いてきた時期に、ちょうど昔からの友人に中古の釣り具屋さんに行こうって誘われてなんとなくついてったら、ザウルスのルアーシリーズが中古屋さんで売ってたの!目を疑ったけど、500円とか1000円ぐらいで当時ホントに欲しかったものがずらり並んでて、全部くださいみたいな(笑)

岡崎 もしかして、さっき言ってた買い物のストレスが全くなくなったからスムーズに戻れたってこと?

中野 そう(笑)お金を出しても買えないって状況がとにかくすごいストレスだったから。だからね、今自分がルアーを作ってて、お客さんから欲しいけど買えないっていう話を聞くと、とても心が痛いです。需要にはしっかり応えたいなって思いますね…。

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