世間は連日の猛暑や台風の襲来等々でまさに”夏”といった感じですがいかがお過ごしでしょうか。
今回は肌寒い季節が待ち遠しくなるようなビンテージアイテムをいくつかご紹介いたします。流行とは無縁のスタンダードアイテムばかりです。
US Army M43 Field Jacket
M43 Field Jacket は1943年にアメリカ陸軍によって導入された野戦用のジャケットです。
こちらのジャケットは襟が立ち上がるデザインと前面の大きなボタンが特徴の一着。襟が立ち上がるデザインは襟を立てて首元を保護し風や寒さから兵士を守るために、大きなボタンは手袋を着用していても留めやすいように、特徴の一つ一つが当時の歴史に紐づかれています。
着丈が短く、ややタイトなバランスの良いシルエットは現代の洋服を合わせてもなんら遜色ない魅力を発揮してくれます。
US Army M51 Field Jacket
こちらは上のM43 Field Jacket、その後継として作られたM50 Field Jacketの意匠を引き継いで開発されたM51 Field Jacketです。
前面のポケットや腰のドローコードはそのままに、フロントの開閉がジッパーとスナップボタンに変わっているのが特徴となっております。寒冷地での使用に特化した作りとなっているため、保温性が素晴らしく、冬の寒々した気候もアウターはこれ一枚で難なく乗り越えれそうです。
比類なき機能性と汎用性と言われるだけある逸品で暖かく、どんなスタイリングにも合うデザイン性は流石という他ありません。
US Army M65 Field Jacket
こちらはM51にさらに改良を加えたモデルM65 Field Jacketです。
これまでのモデルがコットン100%だったのに対し、M65からはナイロン混紡となっております。袖口や襟元がボタンからベルクロ(面ファスナー)に変更され、より機能的になっているのも特徴の1つです。こちらのM65 Field Jacket は製造時期でいくつか違いがあるのですが、こちらは1972年から1980年代半ばまで採用されていたサードモデルになります。サードモデルはこれまでのファースト・セカンドと違い、ジッパーの素材がアルミからブラス(真鍮)へと変わっています。
偶然の産物ですが個人的には右胸のワッペンが良いアクセントになっていて、日常のスタイルにもバッチリハマってくれる一着だなと思います。
まとめ
「現代の洋服のベースは軍モノだ。」
お客さん時代に店長から聞いて驚いたことが今でも鮮明に覚えています。今回、そんな記憶に思いを馳せながら袖を通させていただきました。極上の素材を使っているわけではないし、珍しいパターンなわけでもない。あくまで実用着として生み出された軍モノには、時代を超えて愛される普遍的な魅力が確かに存在しています。こういった様々なブランドからサンプリングされているような定番アイテムを知ることで洋服はさらに楽しくなります。
これを書いている最中、僕自身も「もっともっと洋服を知りたい」そんな気持ちでいっぱいになりました。
すでに完売してしまったものもありますが、今後もこういったアイテムは定期的に入荷しますのでお楽しみに。