S&S / BLOG Jul 20, 2018
Text:YOSHIURA KOTA
Photo:Kenta Kannae
歳を重ねるほど自分の中で身近な存在になりつつある革製品。長い歴史は語り尽くすことはできませんが、現時点で僕 (吉浦)が思うその魅力について書いてみようと思います。
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当店のラインナップにも欠かす事のできないレザーアイテム。定番アイテムの紹介も兼ねながら、改めて自分が思うレザーの魅力を書いてみたいと思います。

JABEZ CLIFF レザーベルト

当店で定番品として取り扱っているメーカー「JABEZ CLIFF」。200年以上の歴史を持ち、乗馬の際に用いる「馬具」を作る技術を現代に継承しながら、ベルトを中心にレザーアイテムを作っています。

画像のアイテム(Stirrup Belt 2.8はブライドルレザーと呼ばれる、主にヨーロッパで古くから用いられてきたレザーで作られています。その他の革とわかりやすく違う点は蝋 (ロウ)をレザーに塗り重ねているため、使っていない状態では、成分が浮き出て粉のようなものがついています。この状態から使っていただくと、体温や摩擦で蝋がなじみ、特にメンテナンスをせずとも適度な光沢を楽しむことができます。汗にも強い革ですので神経質にならずガンガン使えます。

最初は肉厚なレザーに戸惑うかもしれませんが、ベルトは思った以上に負荷がかかるアイテムです。このしっかりした厚みが耐久性を持たせ、ボトムをしっかりと支えてくれます。

MOTO 腕時計

入荷のたび好評いただいている、MOTOの腕時計。アイテム自体の詳しい説明は過去のブログでも取り上げていますので、ご覧いただければ幸いです。

左腕はいつもコイツ。シーンを選ばず使える『moto 』アンティークベースウォッチ WT2。

こちらは文字盤のデザインも秀逸だと思いますが、個人的にはレザーバンドであるという点も魅力的。僕の年齢で私服の際にはラバー素材の時計やデジタル時計を付けていても、全然おかしくはないと思います。

ただ、店で取り扱っている天然素材の洋服や、歴史あるネイティブアメリカンジュエリー等と重ねた時に、レザーがしっくりくる気がして、最近はこればかり使っています。

MOTO レザーシューズ

こちらは当店のレザーアイテムの代表とも言えるアイテム。自分がこの店で始めて買ったレザーアイテムもこのオックスフォードシューズでした。革靴と言えば見た目の重厚感や高級感に目がいきがちで、僕も最初は「かっこいいから。」それだけの理由で革靴を履き始めたというのは否めません。ですが歴史の深い素材というだけあって見た目ばかりではない、機能的な面も考えて作られています。オックスフォードシューズに関しては過去のブログでご確認ください。

シーンを選ばず毎日でも履ける『MOTO』”PLANE TOE OXFORD SHOES”をご紹介

例えば、写真のオックスフォードシューズは「レザーソール」と呼ばれる靴底まで革で作られているタイプです。こうすることで底の革が履いている時の蒸れ等を吸収し、外側にはき出すという効果もあります。ですので今の時期、素足で履いていても蒸れにくく、そうでなくとも、嫌な臭いが発生しにくいというのはメンズにとって非常に頼れるポイントではないでしょうか。

また革製品といえば、メンテナンスも醍醐味の一つ。こちらの「コードバン」と呼ばれる馬の臀部(お尻付近)からとれるとても希少価値の高い革を使用したUチップシューズ。耐久性やしなやかさもありますが、なんと言っても、履き込んだあと、手入れをしたあとのツヤはたまりません。

僕自身、履き始めてからまだ2ヶ月といったところですが、新品のものとは全く違った表情になっています。MOTOのコードバンは他社のコードバンと比べ、特にツヤを押さえた状態で製品にしているため、より顕著に経年変化を感じてもらえると思います。

革製品は手入れをすることで表情も美しくなり、永くつきあっていけるアイテムです。デザインもシンプルな物が多く今の自分が使っているアイテムも10年、20年と使い続けていきたい物ばかり。永く使い続けていくためにも、最後に簡単なメンテナンス方法をご紹介したいと思います。

メンテナンスについて

メンテナンスと言っても人によって使用する道具は違ったり、道具を一度にそろえるのは難しいという方も多く、万人に正解と言えるメンテナンスは無いと思いますので、今回は「革の質を健全に保つ」ということを優先的にメンテナンス方法をご紹介したいと思います。

まずクリーナーを使い、汚れや前回塗ったクリーム等を落としていきます。

拭き取る前に、特に靴などは小石や埃をブラシがけをするなどして落としておきます。埃や汚れの上からクリームを使うのは逆効果にもなりかねませんし、小石を挟んで拭いてしまうと擦り傷ができてしまうからです。

またクリーナーにしても後に使うクリームなども、不安な内は手入れ用のクロスや使わなくなったTシャツの端切れなどに薄く広げてから塗っていくとムラになりにくく安心です。

まんべんなくクリーナーで拭き取り終わった状態が、人で言う洗顔した直後に近い状態です。ですのでここから人と同じように保湿を行います。こちらのクリームもクリーナーと同じように靴全体に広がるよう馴染ませます。

このクリームを全体に馴染ませ、風通しの良い場所で、少し乾かしていただければ最小限のメンテナンスは完了です。

  1. 埃落とし
  2. クリーナーで汚れ落とし(ライニガー
  3. クリームで栄養補給(1909シュプリームクリームデラックス

まとめると以上の3点をおこなっていただくと、革がヒビ割れることや、カビが生えるといった、個人で修復するのが難しい問題はほとんど起こらなくなると思います。

また湿気は革靴にとっては大敵なのでメンテナンスの有無にかかわらず、1日履いた革靴は湿気を取ったり、革を休ませる意味でも1日は間隔を空けて着用していただければと思います。同じ理由で下駄箱にしまう際にも湿気が抜けきった状態で入れることでカビが生えるリスクはグッと少なくなります。

  • 今回ご紹介しているのは表革(スムースレザー)と呼ばれる表面がツルっとしたタイプの革のメンテナンスです。特殊な加工、染色をしている革、スエードなどの起毛した素材は、少し異なりますのでご注意ください。
  • 個々の革に対するメンテナンスは店頭、もしくは公式LINEでお問い合わせいただけると比較的詳細にご案内できます。

最後に

僕もレザー製品は大人びて見えて、昔から憧れは強かったのですが、自分で着用したり革のメンテナンスを通して、随分と考え方が変わってきました。

数年前までは「革=高級感」といったイメージでしたが、今はむしろすごく身近な存在に感じます。昔は靴と言えば革というくらい当たり前の光景であったはず。ヨーロッパでは靴をリペアしながら使い、子供が大きくなったら譲るというのもよくある風習であったそうです。また最初に紹介したJABEZCLIFFにしても、馬具を作ることから転じて作っているなど、そういったストーリーを知ると、ぐっと身近な物に感じませんか?

まだまだ僕も革製品に触れてきた時間は短く、10年物なども、もちろん持っていないわけですが、いつか自分に寄り添ってくれたアイテム達が誇らしく思ってくれるよう、メンテナンスも行っていきたいし、10年物のそれらが見合う自分になっていたいと思います。

レザーアイテムに込められた昔からの工夫や智恵を感じながら、未来の姿にも期待が高まるというのが現時点で僕が思うレザーの魅力です。

当店でもお買い上げいただいたレザーアイテムに関しては、上記のような簡易的なメンテナンス、簡単な傷の補色などはさせてもらっています。ですので長々と書いてしまいましたが、皆さんは気負わず、「気づいたら10年使ってた」という感覚でラフに付き合っていただき、そのお手伝いができれば幸いです。

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吉浦
この記事を書いたひと
吉浦 康太YOSHIURA KOTA | sas_yoshiura
1995年生まれ。2017年春より「SLOW&STEADY」で勤務をスタート。靴磨きが大好き。
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