当店が定期的に入荷しているフレンチワークを中心としたビンテージアイテム。
おかげさまで毎回、入荷とともに大変ご好評いただいているこの フレンチワークビンテージ ですが、
モノが溢れかえる現代において なぜこういった「古いアイテム」が当店のラインナップとして必要なのか、 SLOW&STEADY が フレンチワークビンテージ を扱う理由と意味について、今回は改めてご紹介させていただきます。
SLOW&STEADYをオープンさせた当初からあった構想がこの「フレンチワークビンテージ」
まず、ビンテージアイテムの中でも、なぜ フレンチワークビンテージ なのか。
その理由は一口に言ってしまえば単純に、ただただ当店の洋服のラインナップとの相性がいいこと。
もちろん個人的にもデザインやシルエットがたまらなく好きというのもありますが、それはさておいても FRANK LEDER や PORTER CLASSIC そして S.E.H KELLY などが生み出す洋服のデザインソースとなっているのが、このフレンチワークを含めたヨーロッパビンテージなのです。
実は、当店のセレクトする洋服の世界観が好きだと言ってくださるお客様に、それらのブランドの「元ネタ」とも言えるアイテムに直接触れて欲しい、という想いは、SLOW&STEADYをオープンさせてすぐに芽生えた構想でした。
そして昨年末、色々な準備が整い開店から数年ほど経ってようやく、妥協することなく『 SLOW&STEADY のセレクトするブランドと、その元となった フレンチワークビンテージ を加えたコーディネートの提案』を実現させることができました。
ありがたいことに、入荷と同時に品薄となってしまうそんな フレンチワークビンテージ ですが、ここからは今現在のラインナップの中からいくつかご紹介いたします。
SLOW&STEADY “FRENCH WORK VINTAGE” LineUp
50’S MOLESKIN WORK JACKET “GOOD REPAIR”
まずはこちらのモールスキンジャケット。
以前の記事「一点一点サイズ感も経年変化すら異なるビンテージ モールスキンジャケットの魅力」でも書きましたが、当店でも定期的に入荷しているフランスのワークウェアの代表とも言える定番アイテム。
そもそもデッドストック(未使用品)自体が希少ですが、全体的に色落ちしながら上手くリペアされているものがかなり人気の高いアイテムです。
現代でも十分通用するシンプルなデザインと独特の色合いはまさに唯一無二の存在感。
ボトムはデニムジャケット同様、どんなパンツでもある程度は問題なく合わせられます。
特に、ヨーロッパっぽく スラックスや、ややワイドなコーデュロイ、夏場などにはリネンパンツなどでコーディネイトするのがおすすめです。
60’S NAVY LONG COAT “DEAD STOCK”
続いてこちら、フランス海軍のワークコートで、実戦で使用されたものではなく作業用として使われていたもの。
Aラインのざっくりとしたシルエットは男女問わず着用可能でシンプルで飽きのこない万能アイテム。
冬場以外の3シーズンは問題なく着用いただけますし、こちらも独自の発色が目を引きます。
デッドストック(未使用品)ですので、これから着用と洗いを重ねていけば、経年も含め楽しんでいただけるアイテムです。
60’S TWILL WORK JACKET
そして、モールスキンと並ぶフレンチ定番のツイルジャケット。
古い時代の平織りタイプは特にこの “茄子紺” と呼ばれる独自の色合いに経年変化しモールスキンジャケットに負けず劣らず雰囲気抜群。
デニムカバーオール同様、軽いアウターとしてどんな方でも使いやすい一着。
デニムとは違って全体的に色がフェード(退色)していきますので、控えめで上品な佇まいも魅力的です。
「故きを温ね、新しきを知る」
そもそも洋服が欲しい理由など人それぞれ。
ですから「洋服が好きなら、古いものを知りなさい」と偉そうに言うつもりはありません。
けれど、こういったアイテムを知ることで、今まで以上に洋服が好きだと感じるようになる人も少なからずいるんじゃないでしょうか。
半年前にスタートした フレンチワークビンテージ 。結果として、今までビンテージにそれほど触れたことのなかったお客様まで、抵抗なく手に取ってくれるようになりました。
こういったアイテムを欲する人が一定数いることを実感するとともに、オープン直後から思い描いたことは間違いではなかったと非常に嬉しく思っています。
「故(ふる)きを温(たず)ね、新しきを知る」とはよくいったもので、普段のコーディネイトに加わることでスタイルに一層の深みと新しい気づきを与えてくれるはずです。
この機会に是非、1点でも自身のコーディネイトに加えてみてはいかがでしょう。
ちなみに上の写真は、1932年に出版された当時のフランスの労働者や仕事場の模様をわかりやすく職業別で伝える “LA FRANCE TRAVILLE” 。
こういった当時の資料などで、洋服が生まれた背景や実際のコーディネートの参考にしていただくのも良いかと思います。店頭に置いてありますので興味のある方は是非スタッフまでお声掛けください。
最後に
この記事を更新するにあたって、当店の良質な フレンチワークビンテージ を届けていただいている
老舗ビンテージショップのオーナー(名前は非公表とさせていただきます)に、 フレンチワークビンテージ の魅力についてメールで訊いてみました。許可もいただいたので今回はその返答の文章で締めくくりたいと思います。
〜フレンチワークの魅力についてお聞かせください〜
一言で言われると難しいですが、やはり天然素材ゆえの経年変化ではないでしょうか。
フレンチブルーやインクブルー等と呼ぶ代表的なワークジャケットを例に挙げると、
まるでデニムのように豊かな表情を見せてくれますよね。
黒のモールスキン等も然りです。
あとはお国柄なのか古代からすりこまれたDNAなのか、ワークウェアにも関わらず、
どこか気の利いたデザインやディティールだったりもありますよね。
無骨なアメリカ物とはまた違う魅力、それをきっとエスプリと言うのだと思います。
─ 以上、本文そのまま抜粋