改めまして、スタッフの吉浦です。毎日店頭に立っていると、商品の話などがどうしても多くなってしまいがちです。そんな訳で今回は洋服を好きになったきっかけや洋服に対して思うことを書かせていただければと思います。
洋服に魅了された高校生だったあの日
なぜ自分が今のように洋服を買うようになったのか。その出来事については鮮明に覚えています。きっかけは何気ない会話だったのですが、洋服など何も気にしていなかった高校生の頃です。
友人が僕のしていた真紫のマフラーを見て放った一言。
友人「そのマフラーは似合ってない。」
吉浦「…じゃあ何がいいの?」
ただそれだけの会話。それをきっかけに、その後、高校3年間その友人と県内の量販店から、古着屋から、セレクトショップに飛び込み、買っても買わなくても店の雰囲気や、洋服についての意見を話しながら帰るというのが僕の日常となりました。
今思えば自分も友人も、かなり生意気で的外れなことばかり言い合っていたと思うのですが、そこで当時の自分たちが思う「かっこよさ」を追求していたのでしょう。ただ答えもわからないままに、友人と意見をぶつけ合った時間は今考えると、とても有意義な時間でした。
幼少期からの思い
自分が10歳前後(今から10年以上前)の頃見たテレビ番組。今思えば小さい頃から「人に説明してもまねできない」ようなことが好きだったのは確かです。確か「日本の職人のすごさに迫る」という感じの内容であったと思います。画面には熟練した職人が映し出され、その当時では機械でも直せない、ごく小さな洋服のほつれを職人さんが丁寧にお直しをしていました。
その光景にものすごく感動したことを今でもはっきり覚えています。その延長で好きな物に対しての考え方もよく似ています。
各メーカーやデザイナーさん達の、自分では考えられない経験や、それまでに着てきた膨大な洋服の中から、自身のブランドとして洋服を打ち出す。良いものを作るため、コストがかかってしまっても、妥協しない物を生産する。情熱や覚悟を持って作られた「まねのできない」物にやはり惹かれてしまいます。
先輩に憧れて..
「まねのできない」という点においては、洋服の着方が上手な人にも、それと通じるものがあるような気がします。
色合わせやシルエットのバランスなど、セオリーのようなものはあるにしろ、僕がかっこいいと思う人たちは、例え自分が全身同じ物を着ても全然追いつけない独特の雰囲気やかっこよさがあります。「同じ物を着ても差がつく」そのことに気づいたのも洋服を好きになった理由の一つでもあります。
自分もあの人たちのように、誰も真似できない雰囲気や着こなしができるようになりたい。そういった願望がどんどん大きくなり現在に至ります笑。
写真のS.E.H KELLYカラーレスジャケットは、正にその事を教えてくれた思い出のアイテム。
当時の自分としては、価格も、アイテムの雰囲気もかなり男前なアイテムだったので、相当悩みましたが、まだ自分がお店に通い始めた頃に、常連さんがかっこよく着こなしていたのを覚えていたことが後押しとなり購入を決意しました。当時の自分としては、店に通ってるかっこいい常連さん達に早く追いつきたかったのだと思います。
「これを着ればあの人のようにかっこよくなれる」と思っていましたが実際はそんな甘くなかったです笑。
まとめ
個人的には意外と商品一つ一つの思い出だけじゃなくて、人とのつながりや、何気ない会話が後々宝物のように記憶に残っていたりします。
こういった思い出や体験が複雑に絡み合って、その人の好みや着方に反映されるから、同じ洋服を着ても個性が見えるのだと思います。
「コウタの年齢的にも昨日と今日で、着たい服も、洋服への考えも変わっていくのが当たり前」だと先日店長にも言われました。だからこそ持ってる洋服をもっともっと着倒しつつ、新しいモノへチャレンジしたり、昔と変わらず友人と意見を出し合ったり、先輩のかっこいいコーディネートを盗み見たりしながら、持っている洋服を更にかっこよく着れる為にも、沢山の良いものに触れながら、思う存分に洋服を楽しんでいこうと思います。
洋服屋としてもっともっと勉強していくべきことは山積みですが、まずは、自分が洋服を好きになるきっかけを忘れず、僕と同じように、お店に通うことで洋服をもっともっと好きになって「自分も洋服屋をやってみたい」って言ってくれる人が現れてくれることが今の僕の目標です。
皆さんも「洋服を好きになったきっかけ」思い出してみてはいかがでしょう。