定期的に店のインスタグラム内で『大人の夏休み企画』と題して過去数回に渡り、こちらが題材を決めてそのことについての自分の意見を作文にしてもらうという企画。

昨年度のテーマは、『自分にとって良いものとは？』

このテーマについての応募作品の中から大賞に選ばれたものを紹介する。

『自分にとっていいものとは』

　最近自分に必要なものの基準が確立してきたような気がする。
以前はあれもいいこれもいいと、ものに振り回され結局納得のいく選択ができないことが多くあった。スマホ普及で手軽に多大な情報を手に入れることができるようになったことが原因だと思う。
ものを手に入れ易くなったと同時に買い物に失敗する回数も増えていった。

　お金のない学生にとって買い物の失敗は死活問題である。しかし失敗したことは帳消しにはできない。失敗を糧に学んで次に活かしていくしかない。数多の失敗から僕なりの買い物の真髄を見出した。

それは、「信頼できる情報を選び、妥協せず買う」ということである。

　信頼できる情報とは具体的には、実際にそれを使っている人から話を聞いたり、自分で見て触れて確かめて得た情報のことだ。
妥協せず買うとは端的に言えば自分の手の届く範囲で1番高いのを買うということだ。今まで妥協した買い物で満足したことは一度もない。
何度低価格版を買って後悔したことか…

　5月(※2019年）から断捨離を始めてみた。とりあえず、ときめかないものや今お店に並んでいたら自分は買わないだろうと思うものは全て捨てた。
残ったものの共通点は、やはり自分が妥協せず頑張って買ったものばかりだった。捨てたものたちには微塵の後悔も抱かなかった。（ごめんよ）

　この体験が先に述べた僕の買い物の真髄へと導いた。
　服もそう、パンパンだったクローゼットには今は数えられるだけしかない。ここで自分に問う、「SLOW&STEADYで買った洋服は、単純に高かったから勿体無くて捨てられないだけじゃね？」いや…恐らく違う。

これはS&Sで出会った店員の人やお客さん方が着ている姿を見て、実際に触れて、生活できるかどうかの不安と戦い、命がけで購入したものしかない。買い物の真髄に則っている。

これらの洋服が持つこだわりを余すことなく100%好んで購入した自分がいる。

自分が「いいもの」と思うということは、他のものには無い何かがある。僕にとってそれは、買い物の真髄を通して得られるものだ。多分それが、「いいもの」として僕の手から離れないように繋ぎ止めてくれているのだ。

徳島県 sato.   ※SLOW＆STEADY 作文企画第１回（2019年）大賞作品

実はこの作品、今働いている佐藤が当時まだお客さんとして店に来ていた頃に、応募してきたもの。正直この文章を読んでいたから『バイトさせてください』という彼の申し出に対し即採用した。

『自分が「いいもの」と思うということは、他のものには無い何かがある。僕にとってそれは、買い物の真髄を通して得られるものだ。多分それが、「いいもの」として僕の手から離れないように繋ぎ止めてくれているのだ』

まとめ部分であるこの意見。結局、何が自分にとって良いものかなんてわからない。

ましてや、まだ若い学生時代にその答えなんて分かりようがない。
そのなかで、自分の買い物を振り返り、自分なりのルールや真髄を確立させていくことこそ、良いモノを判断するうえで非常に大切なことだと私も思う。

こうやって、自分の周りのモノに対して改めて考えてアウトプットするということは、洋服が好き、嫌いにかかわらず人としての成長を促す、大切なこと。

というわけで….やります！！

企画詳細

皆さんのご応募心よりお待ちしております！！