S&S / INFORMATION Apr 7, 2024
Text:OKAZAKI MASAHIRO
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今回のブログはPainted Blank新作アイテムTedについて、岡崎が運営するメンバーシップにて前後編で記事を公開していますので前編部分をこのブログにも転載しておきます。続く後編では、Painted Blank の制作者として、さらにディープかつ裏側とも呼べる制作秘話などを、SLOW&STEADY CLUB会員の方限定でお伝えしておりますので、気になる方はメンバーシップ登録のほどよろしくお願いいたします。

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後編:【Painted Blank】 Ted(Suvin×San Joaquin)について〈後編〉|SLOW&STEADY (note.com)
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-以下note記事より-
日本料理において、一見包丁を入れるだけの刺身こそ、最も高い技巧を要することは一般的にも知られていますが、衣類にも同様のことが言えます。

肌着や下着などに分類されるカットソーでは、アウターやシャツなどと異なり、その形状がほぼ固定されているため、どれだけこだわりを尽くしても、その品質の違いをなかなかご理解いただけないことが、正直なところです。ではなぜ、Painted Blankが、Tシャツを最初にリリースし、さらに今回、長袖カットソーを制作したのでしょうか?

今回は、先日リリースしたばかりの Painted Blank 新作「Ted(Suvin×San Joaquin)」について、その魅力を最大限ご紹介いたします。

個人的には、コーディネートの基盤として機能する肌に最も近い衣類こそが、洋服の本質そのものを最も理解する最適手段だと考えています。

以下は「Ted」と名付けた長袖カットソーについての全てとなります。
できれば素材や縫製、そしてパターンにこだわり尽くしたこの1着に袖を通す前に、ぜひご覧ください。

素材について

Ted に使用した生地は、コットン生産量で常に世界1~2位を推移するインド綿の中でも、さらに生産量が0.025%と超希少な超長綿「Suvin Cotton」と、発色が美しく適度な艶感が魅力のこちらも超長綿「Australia Cotton」の2種類の原綿を使用。

これらは、まず新潟にて紡績、大阪にて編み立て、愛知県尾州で最終的な加工を施し完成しますが、優れた技術者の手を渡り歩き、丁寧に製作された生地は結果、原綿本来の特性を最大限に引き出し、しなやかで上品な光沢、滑らかな質感、そして耐久性を生み出します。

さらに、特に伸縮性が求められる「カフス(袖口のリブ)」には、カリフォルニア・サンホーキンバレーの雪解け水で育つ超希少綿、「サンホーキン綿」を贅沢に使用しました。
これにより、非常に柔らかな風合いと滑らかな肌触りを実現しました。

着用するほどに吸水性を増しながらも、着心地の良さと光沢がいつまでも色褪せない、最高品質の生地を実感ください。

縫製について

縫製作業には、国内随一の高度な技術を持つ四国・香川県の工場を厳選。
前・後見頃、袖、首周りなど、各パーツごとに徹底的にこだわり尽くした縫製による着心地は、袖を通したその瞬間にご体感いただけます。

縫い代幅やステッチなど、細部に至るまで美しく、徹底的にこだわり抜かれたディテールワークは、すべて国内屈指の縫製技術を持つ職人の成せる技。服を脱いだり畳んだりするその瞬間にもご満足いただけるよう、「裏返しても美しい」見た目が実現しました。

またカフス付けには、2本のオーバーロックの後に平2本針を施し、強度を担保しつつも、肌触りの良さと袖をまくった時に感じるストレスを最大限なくすべく、リブの長さ・絞り具合を、絶妙なバランスで成形しています。

さらに衿には、2本のバインダー仕様を施し、一般的なオーバーロックよりさらに耐久性を高め、裾にはオーバーロック後にあえて細い2本針の平縫いを施すことで、そこに伸縮性を加えています。

シルエットについて

365日着用可能なカットソーを追求するなかで、着用されるすべての方の体型に合う、上品なシルエットを実現するため、細部にわたって緻密な調整と試行錯誤を何度も行いました。

首回りは「鎖骨のラインが程よく見える」よう、やや広めに、
アームホールのサイズも、シャツやアウターとの重ね着を考慮し、どんな洋服と組み合わせても違和感のない、絶妙なバランスに仕上げています。

身幅や着丈では、一般的なカットソーに見られる過度な長さや広がりを排除すべく生地の縮率や伸縮性を考慮し、カジュアルすぎない印象に調節しました。腰をかがめた際にも背中が露出することのない、大人がストレスフリーで着用できるラグジュアリーなカットソーとして、一枚で着用しても違和感のないバランスに仕上げました。

最後に

カットソーのような洋服の中でもシンプルで直接肌に触れるアイテムは、通常一定期間の使用後に交換されることが通常です。
しかし当製品は例外的であり、10年、20年先においてもなお、ご愛用いただける可能性を充分に秘めています。
洋服を使い捨てるのではなく、何度もリピートして着続けたいと思える品質こそが Painted Blank の目指すべき洋服ですが、その理念をしっかりと備えている1着だと自負しています。

ともすれば、コストのみが重要視される洋服業界で、ここまで細部まで徹底的に拘るカットソーはおそらく類を見ません。
だからこそ、大量生産されたアイテムでは決して感じることのできない、自分の体を包み込むように寄り添い続ける、抜群の着心地をぜひ永く、お楽しみください。

この記事を書いたひと
岡崎 昌弘OKAZAKI MASAHIRO | at_slowandsteady
1981年生まれ SLOW&STEADY 代表。18歳の時より地元の古着屋へ勤務。その後同じく県内のセレクトショップ勤務を経て2013年「SLOW&STEADY」をオープンさせる。ブログとは別で文章形SNS『NOTE』にて洋服にまつわる記事を毎日更新しています。 『NOTE』 https://note.com/slwanstdy
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