革靴をメインにコーディネイトしている僕らにとってはこの季節は何かと気を使うんじゃないでしょうか。汗や雨で濡れたまま革靴を靴箱に入れておくとカビの原因になったり匂いが出たり…
何度か紹介している気はしますが、改めて当店が普段お客様達に行っている革靴のメンテナンスサービスをご紹介しようと思います。
埃を落とし汚れを落とす
まずは馬毛などのブラシで全体的にブラッシングしてホコリなどを落とします。コバの隙間など、汚れがたまりやすいところは特に綺麗にしてあげてください。
【コロニル】ライニガーで革をリセット
表面に付着しているグリース、タール、カビ、余分な光沢剤などを取り除くスプレー(ライニガー)を全体に吹きかけます。これによって余計な汚れを取り除くことでカビを防止し、クリームが浸透しやすい状態、いわばニュートラルな状態に革を戻すことができます。
シューズの中までしっかりとスプレーすることで、汚れや匂いを取り除きます。
【コロニル】1909シュプリームクリームデラックスで保湿と栄養を
ホコリを落とし、ライニガーでリセットしたあとは栄養クリームを革に入れていきます。コロニルの1909シュプリームクリームデラックスは揮発性が高いため、塗りすぎの心配も少なく非常に使いやすいです。登山やキャンプなどハードなシーンで履くクライミングやワークブーツには粘土の高いクリームを使うのですが、普段履きの革靴にはこそまで強いクリームは必要ありません。(僕は基本的にこれしか使っていません。)
僕らはクリームは直接シューズに手で塗りこみます。手の温度でクリームを伸ばすイメージです。シワの中までしっかりとクリームが浸透するように。
専用クロスなどにクリームを塗り、クロスで塗り込むのも◎
手やクロスが入らない部分はアプリケーションブラシなどを使ってしっかりとクリームを入れてあげてください。ボディーばかりをピカピカにしている方をたまに見かけますが、コバ(ソール)が綺麗じゃないと革靴って安っぽく見えます。車でいえばボディーがピカピカでタイヤやホイールが汚い状態を想像してください。
なので、レザーソールの場合、しっかりとコバなんかもクリームを入れてあげてください。
専用クロスで余分なクリームを取り除く
全体に塗り終えたら、専用クロスで磨きます。余分なクリームはしっかりと拭き取ります。その際、ステッチや細かな部分にクリームが残らないようにクリームを塗るときと同じくブラシなどを使ってしっかり取り除いてください。
優しく磨く
あとは磨くのみ。あまりゴシゴシとこすらずに、優しく素早くって感じです。ツヤが出にくい場合、僕は水滴を数滴クロスに落として優しく磨きます。時間も短縮できて少し艶っぽく仕上がります。
仕上げブラシでフィニッシュ
最後に仕上げブラシを使って軽くブラッシングします。
頂いた素材だからこそ
「革は生き物」
よく聞くフレーズですよね。ウールなども同様に、もともと生きている動物からいただいた素材なんですから当然といえば当然ですよね。人間同様に汚れたまま、濡れたままだと素材は傷んでしまいます。冬になれば乾燥する。
当店で扱っているmotoの革靴なんかは、あくまで普段履きに使用する前提で造られていますし、そこまで神経質に考えなくても良いのですが今回紹介したように、定期的におこなうメンテナンスは必要です。
今回紹介したメンテナンスで大体、5~10分ぐらいです。
普段お世話になっているアイテムだからこそ、ほんの少しの時間でもシューズをいたわる時間を作ってあげてください。それもまた “物を持つ上でのマナー” ではないでしょうか。