5月も終わりが近づきいよいよ気温も上がってきました。
そんなタイミングでジャケット?と思われるかもしれませんが、自分で2ヶ月ほど着用をしてみて改めて「買って良かった」とおもえるジャケットでしたのでご紹介させていただきます。
フランクリーダーが作るジャケット
まずはディテールの紹介から。ジャケットの形状としては2ボタン、ノーベント仕様、袖口は本切羽になっています。
今でもイギリスをはじめとするヨーロッパの国々で長年続くビスポーク(オーダーメイド)の仕立屋が数多く存在することを知り、ジャケットというのは自分の中ではアメリカよりもヨーロッパのイメージが強く、ジャーマンレザーや他のジャケットをよく着ている店長が「フランクのジャケットはやっぱりパターン、シルエットが絶妙やな」とよくつぶやいていたことから、「自分の一張羅としてフランクのジャケットはどうしても欲しい!」と入荷の前からとても期待していたアイテムです。
カラーがチャコールグレーということもあり、最初の一着としても使いまわしの効く一枚ですので、なんでもない日から、少しかしこまった服装の時までかなり着込んでいます。
ポケット部分などに今期の特徴的なディテールが見られますが、形はフランクリーダーの定番のジャケットです。
以前ブログでも触れておりましたが、このチャコールグレーの発色は炭染めによるものです。
フランクリーダーは過去のシーズンを見ていても、同じように炭染めされたアイテム、炭がパッケージに同封されているアイテム、トグルが木炭になっているダッフルコートなど、炭に関連した洋服が時折リリースされています。
はっきりと断言できませんが、これはフランクリーダーもモチーフとすることの多い、1900年代前半の労働者階級の職業の一つであった炭鉱夫や、同時代、木炭が化学燃料が広まる前にポピュラーであったことからもイメージを膨らませて炭を用いているのではないでしょうか。いつかフランクさん本人にお会いできる機会があればぜひ聞いてみたいことの1つです。
自分もまだ2ヶ月ほどの着用なので、色の変化はまだこれからですが、最初はハリの強いリネン生地が肘の周りをはじめに、かなり馴染みだしたのを実感します。
ジャケットにかける思い
僕はジャケットというアイテムに格別こだわりがあります。
ディテールや素材にこだわりがある訳ではなくて、ジャケットを着るという行為にそのものにです。
自分が洋服に興味を持ち始めた高校生の頃、雑誌だったかなんだったか忘れてしまいましたが高級なレストランやホテルには「ドレスコード」という物が存在することを知りました。
ジャケット着用や襟のついたトップスを着用しないと入れない、といったアレです。人によってそういうしきたりって面倒くさく感じたり、古くさい風習だと感じてしまうかもしれませんが、自分にはそういったルールが大人の洋服への入り口な気がして、胸が熱くなりました。
いまだにドレスコードのある店には行ったことがないのですが。自分自身の中でドレスコードのような物を作って楽しんでいます。結構年上のお客さんやメーカーさんと食事するのが分かっていれば、その日はシャツやジャケットを着ていこうとか考えます。それが長らく習慣となっていたので、逆にジャケットを着た時は気合いが入るという条件反射が組み込まれている次第です。笑
余談ですが僕の両親はこういった洋服屋をやっていくことを快く許してくれていることからもわかるように、あまり着ているものや洋服を買うことについて注意を受けたことはあまりありません。ですが親戚の家に新年やお盆に挨拶に行く時などは「綺麗な洋服にしとき」「サンダルはやめときな」など、今でいうとTPOといったことには割と敏感だったように思います。そういった経験もあって自分もその日その場に合わせた服装ということに敏感になっているのかもしれません。
洋服に追いつく
僕は今年で25歳になりますが、正直、羽織ものというジャンルでいうとミリタリージャケットやシャツジャケットの方が着用する頻度は多く、自分の年の友達を見回してみてもスーツ以外でジャケットを着ている人ってほとんどいません。
ですがこのスーツのジャケットに近い形状の2Bジャケットは着るだけで気合いのスイッチが入る、自分を焚き付けてくれる、僕の中ではそういうアイテムです。今は気合いを入れて、背筋を伸ばして着ているジャケットが、生地や着こなし方がこなれてくるころに、ちょうど自然体で着られるかっこいいおっさんに自分がなっていることを信じてます。
未来の自分に期待するのも悪いことではないと思いますよ。