S&S / BLOG Oct 29, 2016
Text:OKAZAKI MASAHIRO
Photo:Kenta Kannae
時代に埋もれていく伝統の技術を守りながら良いものを残し、自身の信念を貫こうとするフランクリーダーの気概を感じる素晴らしいジャケットです。
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FRANK LEDER 2016秋冬コレクション のメインアイテム、「鹿革」を使用した PLANT DYED DEERLEATHER JACKET 。Facebookなどでは何度か紹介しましたが、改めてこのアイテムの魅力についてご紹介いたします。

来店いただいたお客様には 「僕が負けたから仕方ない」 と伝えているこのジャケット。

展示会で見た瞬間から、アイテムが放つ圧倒的な圧力に一目惚れ
その後のディテールや素材の説明を聞いたのですが、直後は頭に入らないほどの衝撃でした。価格も一筋縄ではいかない高価なアイテムです。
ただ、このような希少で高価な素材をコレクションにもってくるフランクリーダーの愚直とも言える洋服に対する情熱も含め「惚れてしまったら仕方ない僕の負け」ということで、後のことはひとまず考えずオーダーしました(笑)

自然光だけでも徐々に色が変わっていくほどナチュラルな「鹿革」

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まずこのアイテム最大の特徴とも言える「鹿革」について。
これは昔からの伝統を守る猟師が、ドイツの山奥にある家族創業を貫く小さな なめし工場 に持ち込んだものです。
そこでは1000年以上前から伝わる なめし技法で、時間と手間をかけ作られています。
こういった手作業による方法は、職人の国 ドイツですら現在はその工場だけしかやっていないそうです。

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科学的な色止め処理を行わず、自然の葉っぱや枝と植物エキス、生物学的に自然な方法で染めた革は、着用せずとも自然光だけでも徐々に色が変わっていくほどナチュラルです。きっと数年後、数十年後、心から買ってよかったと思わせる抜群の仕上がりになるはずです。

あえて残された、通常であれば製品には使わない傷や銃痕

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また、通常であれば製品には使わない、虫刺されや撃たれた銃弾の穴、トゲなどで付いた傷が皮膚に残っているのをあえて自然なものとして残しているのも、世界中でこのアイテムにしかない特徴。

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当然ですが一点一点、傷や穴の大きさまで全く違っています。
穴や傷はありますが、上の写真のように同色リネンの裏地がありますので、インナーが見えることはありません。

鹿革ですので、柔らかく時間をかけ自分の体に馴染ませていくのも楽しみの一つ。
定期的なクリーニングに関しては最適なクリーニング店をご紹介しますし、汗や雨なんかにも比較的強い革ですので、あまり神経質にならずガシガシ着て大丈夫。

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そして素材だけでなくパーツ選びのセンスにもファンが多いのが FRANK LEDER 。使用しているボタンも アンティークウッドボタン 。天然素材のボタンを使用することで、纏った雰囲気を一つにまとめて上げています。

使命感にかられるほど作り手の気概を感じるアイテム

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「素材の良さを生かす」 まるで日本料理の真髄のようなフレーズですが、 FRANK LEDER の生み出すアイテムすべてに共通して言える言葉ではないかと思います。
一見シンプルで単純なものほど、人の心を動かすのは難しいですよね。
素材や処理、緻密に作られたパターン、パーツ。そういったものが絶妙に組み合わさることで、またそれを人が着用し続けることでようやく完成する洋服

高価なものほど「傷や穴」といったネガティブな要素は真っ先に排除するはずなのに、それをあえて残すというあたりが、時代に逆行し自分の信念を貫き、この時代に良いものを残そうとしているフランクリーダーの気概のようなものを感じずにはいられません。そんなアイテムだからこそ、売れる売れないという前に “頑張ってお客様に紹介すべき” とこちらも使命感にかられたのも事実です。

僕よりずっと年下の、当店でこのアイテムを購入して頂いたお客様が 「嫌味がないからガンガン着れそう」 とおっしゃられていましたが、まさにその通りだと思います。
周りにアピールするためのブランド品ではなく、しっかりと地に足のついたこの PLANT DYED DEERLEATHER JACKET 。手に入れた方にとって必ず次の世代にまで受け継いでもらえる逸品です。
決して簡単に手に入れられるアイテムではないかもしれません。ですが、是非一度、手にとってお確かめください。

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岡崎
この記事を書いたひと
岡崎 昌弘OKAZAKI MASAHIRO | sas_okazaki
1981年生まれ SLOW&STEADY 代表。18歳の時より地元の古着屋へ勤務。その後同じく県内のセレクトショップ勤務を経て2013年「SLOW&STEADY」をオープンさせる。
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