春物が続々と入荷し始め、ソワソワワクワクしてきました。
今すぐにでも春物たちをお迎えしたくてたまりません。しかし珍しく「いや、ここは一旦はやる気持ちを抑えていこう」と冷静な僕のささやきが聞こえてきました。
そこで今回は昨年よりリリース、大好評のPainted Blank、ファーストリリースアイテム “Tony” をご紹介させていただきます。
「どんなに素敵な春物よりもまず、このアイテムを紹介しなくては春夏は語れない」そんな気がしてきて、いつも流れに身を任せてしまいがちな僕ですが今回は、冷静な佐藤側の意見に従ってみることにしました。
「Painted Blank」
今までブランドの詳細をあまり公表していませんでしたが、実はこのブランドは当店SLOW&STEADYオーナーの岡崎が信頼できるチームで手掛けているものです。
「しばらくは純粋な商品としての価値で勝負してみたかった」という実に岡崎らしい考えのもと昨年2月にリリースされたこのアイテム。
ありがたいことに大変多くのお客様にご好評いただいており、県内外問わず半数以上の方がリピートして購入していただいております。ブランドの詳細も気になっているお客様もおられるかと思いましたのでリリースから約1年を経た今、満を辞して公表させていただきました。
シンプルな白のTシャツ。他と差がつきにくいアイテムをあえてファーストリリースにするあたりがまさに当店らしい選択です。
「使用している素材について」
洋服はまず素材からそして素材の特性を理解した上でディテールを説明できるように
これは、働き始めたすぐに教えてもらったこと。理由は、様々な素材の特性は、人の体格や身長、体質等によって合う合わないがある。だからこそ素材をある程度理解していないと、お客さんたちそれぞれに合った1着をおすすめすることは難しい。
しかし、“コットン(綿)“だけはすべての人がアレルギーなく着用できる素材です。そうした理由から、誰でも愛せるようなTシャツの素材としてコットンを選んだそうです。
そして、Tonyに使用されている原綿はアメリカ、ニューメキシコ産スーピマコットンを100%使用。この綿は、農薬や化学肥料を3年以上使わずに栽培されたオーガニックコットンで洗いを重ねるごとに柔らかく体に馴染んでくるのが特徴で、世界中のコットンの数パーセントしか存在しない希少な綿です。
通常コストを抑え、大量生産できるように農薬を大量に用いて綿花を生産する栽培方法は農場近隣の自然環境にも多大な負荷をかけ、何より畑で働く人々の健康を奪いかねません。以上を踏まえてこのアイテムに触れてみると、作り手の方々への感謝を忘れないという精神は洋服好きである以上なくてはならないものだとこのアイテムが訴えかけているように感じます。
着る人はもちろん作り手の方までもが、長く愛すことのできる洋服を目指すべく、作り手の環境、ひいては洋服業界の未来のため、この原綿を選んでいます。
「1年間、実際に着用してみた感想」
とにかく着ていて気持ちがいい。これに尽きます。和歌山県の吊り編み機で丁寧に時間をかけ織られた生地は、ごわつきなどは一切なく、肌をやさしく包んでくれているようなそんな感覚。細かい部分は説明書に全て記載があるのですが、縫製は『裏返しても美しい』を目指し国内の職人さんに無理を言って、パーツごとに縫製方法を変えています。パターンは20年以上様々なカットソーを着続けて、ベストだと思うサイズ感やシルエットに仕上げています。
お買い上げいただいた方全員になんと商品の詳細な説明書とこうぞ紙を用いた包装をさせていただいております。僕自身、初めてこれをみた際「なんだこれ、愛がすごいな..」と動揺したのを覚えています。
しかしまぁ、洋服を語り出すと止まらない岡崎の特性を知っている自分からすれば、不思議とこのこだわりっぷりもなんとなく理解できてしまいます笑
こだわりを貫いたTシャツ
気に入った洋服は、何度も何度も鏡で見てしまいます。細かいディテールやシルエット確認どうこうというよりも、鏡に映る自分と「これいいよなあ」ってひたすら褒め合っているような感覚に近いです。シンプルな白のTシャツでここまで興奮できるのは、スタッフとして作られた経緯を知っているからというのも大きな理由だと思うんです。
このTシャツを作るために、工場の人と何度も何度も打ち合わせを重ね、結局生産まで一年以上かかったこのアイテム。一年中使うアイテムだからこそ、究極的にこだわったものを。現在、なくなっているサイズもありますが、まずは一度お試しください。