個人的に、普段着のアウターとして 「トレンチコート」 をチョイスすることって今まであまりありませんでした。
ピーコートやダッフルコート同様、アイテムとしては決して嫌いなわけではないのですが、どこか背伸びしているような気がして何となく遠ざけていたように思います。
もしかしたら、同じような方も多いかもしれません。
けれどそんな折、タイムリーに先日入荷した PHIGVEL (フィグベル)の トレンチコート “DOUBLE-BREASTED MC COAT” 。
ここ数年冬のアウターには着丈の長いコートばかり着ていることもあり、「僕のトレンチコートデビューにピッタリかもしれない…」そんな風に思わせてくれたアイテムを今回はご紹介いたします。
トレンチコートの起源と、装飾について
そもそもトレンチコートは、第一次世界大戦のイギリス軍で、寒冷な環境での戦いに対応するためにと作られた「防水型のコート」が起源。
トレンチ(塹壕 ざんごう)、という名前からも分かるように、もとは軍物として生まれたものでした。
そのため、風や泥が侵入しないために、フロントはダブル。またトレンチコートと言えば誰しもが思い浮かべるであろう エポレット/ショルダーストラップ (肩部分に付いた取っ手のようなもの)は、階級を示すバッジをつけるため、あるいは双眼鏡や水筒のストラップが滑り落ちるのを防ぐためにつけられたもので、ガンフラップ(胸部分に付いた当て布)は、ライフル銃を撃った時の衝撃から体を守るために付けられたものでした。ご存知の通り、トレンチコートにはそれらが今も、名残りとして付いています。
(あの有名なマッキントッシュのゴム引きコートも、機能性の高さを評価され、2度の大戦で軍にトレンチコートを支給したことから現在に至ります。)
現代にあわせて再構築された phigvel / フィグベル “DOUBLE-BREASTED MC COAT”
そしてこちらが今回ご紹介する、ミリタリー仕様のトレンチコートを再構築した phigvel のトレンチコート。
先ほど述べたような、装飾パーツを排除することで、見た目がスッキリしており、さらに素材に「スーピマ糸」を織り上げ「ピーチバイオ加工」したチノ素材を使用することにより、まるでヴィンテージを彷彿とさせる表情。素材感とマットな質感が、肩肘張らず普段着として使い勝手のよい仕上がりです。
重量感と独特の光沢があるコーティング素材でもないので、あくまで普段着のアウターとしての汎用性にとても優れています。
見た目はシンプルながら、その日の気候やインナーのボリュームに合わせて取り外しができるライナー付きというのも機能的。
ウールカシミヤのビーバー仕上げを施していますので、軽くて保温性、着心地も抜群。
また、ざっくりとしたシルエットながら現代風にシェイプのかかったシルエットは前を開けて羽織っても野暮ったくなりません。
その時、ベルトは後ろで簡単にまとめてあげれば問題なし。
襟のチンストラップは、基本的に使用せず、寒い時は襟を立ててマフラーを巻き込むのがベストかと思います。
最後に
11月に入ったとはいえ、寒い日があったり暑い日があったりと、今の季節は意外と着るものに困る時期…。
ですが、こういったコートが一枚あれば、洋服も選びませんし非常に便利。
ぜひ、僕と一緒にトレンチデビューはいかがでしょう。
余談ですが、最後にトレンチコートを一般的なアイテムとして世間に広めたきっかけのひとつ…といっても過言ではない映画をご紹介。
僕も人から勧められて見たので偉そうに言えませんが、おすすめです。
主演のハンフリー・ボガートのダンディーがすごい、気になった方はぜひ観てみてください。(言っていただければお貸しします笑)