S&S / BLOG Nov 5, 2017
Text:TAKEDA KAZUYA
季節が変わればコーディネートの要も自然と変わっていきます。そんな冬の風物詩とも言うべきアイテム、セーターの中でも今期 PHIGVEL よりリリースされたモックネックセーターは、ほかとは少し違う個性的なアイテムとなっております。
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まず特記すべき点は、少し高さのある首元。
タートルネックとも、クルーネックとも呼べない中間に位置する高さは「モックネック」と呼ばれるもの。
モックは直訳で”まがい物”、”偽物”。そんなどっちつかずな意味を持つモックネックですが、実は重要な役割を担っています。

寒くなるこれからの季節、インナーとしてセーターを活用する機会も増えてきます。
ですが首回りで、クルーネックだと少しラフだし、かといってタートルネックだとボリュームが出過ぎる、そんな絶妙なバランスに悩むことって結構あるんですよね。
まさにそんな時、その中間の程よい印象を持つモックネックが実に使い勝手がいいんです。

コーディネートについて

例えばこちら、ベストを上から羽織ってみました。
首元が引き締まり全体的に上品な印象に仕上がっています。


さらに今季 PHIGVEL のラインナップとして加わった WOOL SHOP JACKET との組み合わせも◎。
生地の厚みに対して、襟の無いノーカラーのジャケットにモックネックを取り入れることで、スタンドカラーのような雰囲気が全体のバランスを整えます。

こちらの組み合わせでは一変して、大きくしっかりとしたジャケット襟を持つ M-47 FIELD JACKET ですが、こちらも相性は抜群。
主張の強い襟ですがモックネックを組み合わせることでボリュームがうまく中和されています。

柔よく剛を制す、素材と肩周りのディテールについて

素材にはファインウールとヤクを50%ずつ使用。
カシミヤに匹敵するほど着心地が良いと言われるヤクは、しなやかで弾力があるのが特徴的。袖を通している時から感じるそのしなやかさはもちろん着用時も健在。
どうしてもかさ張りがちな冬のコーディネートは動きにくくなるものですが、そういった部分をクリアにすべく選定された生地にもぜひ注目していただきたいところです。

肩の部分を見ていただければ、ミリタリーの要素を取り入れているのも分かります。

ショルダーの部が背中へ寄っていることがわかるかと思いますが、これによって可動域が大きくなりより動きやすくなっています。
前面はラグランのセットイン、背面はフリーダムのようなディテールに。
体のラインに対してフィットするのではなく、そっと寄り添うようなシルエットもストレスフリーに一役かってくれています。
生地感とともに「柔よく剛を制す」とは、まさにこのようなセーターのことでしょう。

最後に

何気なく素通りしてしまうような些細なポイントこそ、実は大きな役目を担っています。

クルーネック、タートルネックと、普段取り入れているセーターに加えて、ぜひ新しいバリエーションとして「モックネックセーター」取り入れてみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いたひと
武田 和也TAKEDA KAZUYA | ___takeee___
1990年生まれ。2015年1月より「SLOW&STEADY」で勤務をスタート。洋服について日々勉強中!
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