はじめに
当店にとって、冬の定番ボトムであり、毎年購入される方も少なくないポータークラシックのコーデュロイパンツが先日入荷しました。ヴィンテージを彷彿とさせる独自のシルエット。タフに履きこむほどに柔らかく馴染む生地感は、剣道や刺し子と並びポータークラシックのの代表的アイテムです。
この商品については過去に武田、吉浦と歴代スタッフがしっかり紹介していますのでこの機会に再度ご確認ください。
【冬のコーディネートを熱くする PORTER CLASSIC / ポータークラシック コーデュロイシリーズ】
【”PORTER CLASSIC”日常に輝きをもたらすコーデュロイの魅力】
不動の安定感を誇る生地
生地は1858年創業のイギリスブリスベン・モス社。数々の名門ブランドもこぞって採用している老舗コットンミルです。
歴史ある名門ファブリックメーカーが生み出す太畝コーデュロイは厚手で耐久性に優れており “コーデュロイの王様” とも呼ばれています。その生地を日本の職人が染色することで仕上がったこの生地。
細かな説明は過去ブログでも書いていますので省略しますが、単純に強いんです。毎日のように履きこみ、定期的に洗濯を重ねるごとに最初は硬く感じる生地も徐々に馴染み、素晴らしい履き心地のよさを約束してくれるはずです。
履きこむほどにヴィンテージを彷彿とさせる逸品に..
シルエットについて
毎シーズン変更はありますが、基本的には1800年代後半〜1900年代初頭のフレンチやブリティッシュビンテージにみられるシルエットを再構築したものです。
通称バルーンと呼ばれるハイウエストかつ、ヒップ周りにゆとりをもたせ9分丈に設定された独特のこのシルエットは、一度履いてしまうと自分の価値観すらも変えてくれるはず。正直、僕もハイウエストのパンツに全く抵抗がなくなったのは、このコーデュロイの影響も少なからずあります。
ヴィンテージのコーデュロイなんかも定期的に当店でも販売していますが、やはり「毎日ガンガン履いて洗濯もしたい」となると生地のダメージを考えて少し躊躇してしまいます。(年々相場も上がっていますし…)それを考えれば生地も強く、現代に合わせて作られたこのアイテムこそ、ヨーロッパビンテージの魅力を知るわかりやすい入り口かもしれません。
温故知新
コーデュロイの語源はフランス語の「code–du-roi 王様の畝 (うね) 」とされ、ルイ14世(在位1643~1715)が献上されたこの生地を気に入り、自分の庭師たちなどの制服に採用したことが始まりというのが一般的。
一般的に普及するのは18世紀中頃に始まったイギリスの産業革命での大量生産がきっかけ(だと思います。)
1900年初頭のフランスの作業員を記録した写真集にも様々なシーンでコーデュロイパンツを履いている作業員を見かけます。この時代から現代に至るまで100年以上経過していますが、もう既に完成されているというか、基本的な洋服のシルエットが今とさほど変わっていないのも面白いですよね。
10年、20年前の携帯電話やパソコンなんて全く使い物にならないのに、洋服は時代を超えても色褪せない。それどころか年を重ねるごとに魅力的に感じてしまう..
それって洋服の最大の利点であり、素晴らしいところだと思うんです。「今年っぽい」「今っぽい」そんな言葉を僕も店頭でお客さんに使うことがないとは言いません。店内を博物館にしたわけでもないですしね笑。でもこのアイテム然り、これから先の時代に残っていくであろう洋服を提供したい。それはこれから先も変わりません。
経験上、歳とともに「これも、あれも着たい」ってのは少なくなります。(僕の場合、気に入ったら使い続けるのは昔からですが..) 色々とチャレンジしたいとも昔ほど思わなくなってきますし。
その時の気分で好きな色や多少の変化は受け入れ楽しみつつ基本はいつも同じ。
そんな男性こそ僕がずっと憧れ続ける 「大人の男性像」です。
洋服って沢山の道があると思いますし最終的にどの道を選ぶかは人それぞれです。ハイブランドで固める人もいればヴィンテージを掘り続ける人だっているし、雑誌やメディアを参考に今を感じる洋服を選ぶ人もいる。洋服に興味がなくなる人だって沢山いるはずです。
好きなからず僕にとってこのコーデュロイパンツは「僕の選んだ道」には欠かせない一本ですね。