当店では毎シーズンの恒例になりつつある『BONCOURA祭』ですが『シーマンズニットバーガンディ』から始まり『デッドストックチェックのスウィングトップ』『オートミールボタンダウンコットンフラノシャツ』『ハイゲージクルーニット』…と、開催ごとに当店別注アイテムを製作してきました。
それらは今でも心から「作って良かった」と思えるものであり、自分のワードローブにも欠かすことのできないアイテムとなっています。
さらには回を重ねるごとに、県内外問わず、毎回の別注アイテムリリースを楽しみにしていただいているお客様も増える中、SLOW&STEADY 5周年と、BONCOURA 7周年とが交差する2018年の『BONCOURA祭』は、今まで以上により強く当店の色を打ち出したいという想いのもと、この企画がスタートしました。
SLOW&STEADYのコンセプトをしっかりと表現したアイテム
森島さんにも「2018年はSLOW&STEADYのコンセプトをしっかりと表現したアイテムにしたい」と伝えた上で、ずいぶん前からとある柄のデッドストック生地を探してもらっていました。
が、こちらが指定させていただいた生地は稀少性も高く、そんなタイミングよく見つかるとも正直思っておらず、無理だった場合の代替案を用意していたりしました。
…そんな中、しばらくして森島さんより一本の電話が。
「岡ちゃんバッチリなんあったわ!!」
少し興奮気味のテンションから察して、すぐに大阪へ。そこで見たのが上の生地。
そう、探していただいていたのは通称『Wabashstripe (ウォバッシュストライプ) 』と呼ばれる1910年~1920年代初期頃に、アメリカのワークウェアによく使われていた生地。強度もありながらオンスも低く、通年使えるこの生地は、紺地に白のドットで作られたストライプが象徴的。
一説ではアメリカの『ウォバッシュ川の流れ』をイメージしたとも言われており、当時は様々なメーカーから多くのアイテムが作られたのですが、現代ではそのどれもが入手困難となっています。
まさにSLOW&STEADYの 「点が線になる」 コンセプトを表したような生地。
どうしてもこのアイテムで当店一番人気のアイテムであり、かつ僕も大好きなあのアイテムを作りたい…。
見つけていただいたこの生地は、どれくらいの年代のもので、どんな経緯で作られたのかは森島さん自身も断定できないとのこと。本当に見つかるとは思っていなかった自分としては最高に嬉しい出会いでした。
当店が今回、5周年でリリースするアイテムは、そんな当店の思いを背負い生まれた『別注ワークジレ』。
カラーコードは『DOT&LINE』まさに僕が今、このタイミングで作りたかったものです。
デッドストック生地ですので、当然リリースは今回限り。完全リミテッドアイテムとなります!
背面にはボンクラオリジナルシャンブレーを使用。
イメージしたのは、デニムやインディゴヘリンボーンよりも少し大人っぽく着れるイメージ。
ワーク生地とはいえ、ドットのストライプにより通常のものよりも少し上品な印象を受けます。
デッドストックということもあり、経年はどうなるのか今ははっきり言えませんが、通常のボンクラ製品同様、着れば着るほど深みが増し、格好良く仕上がっていくことだけは当店が保証いたします。
着なくてもいい物
何度もブログでは書いてきたことで、どのメーカーさんにも言えますが、レギュラーがあるからこその別注アイテムだと当店は考えています。
さらにはこうして周年記念と称したアイテムをリリースするのであれば「ただ欲しいものを作る」というのではなく、どんな形であれ、店の空気感や想いといった部分をしっかりと盛り込みたいと思っています。
いまでは当店で一番人気と言ってもいいワークジレ。
ですが、店を始めた当初は、どちらかといえば苦手意識を持っている方の方が圧倒的に多く、ジレやベスト類を好む方はまだほとんどいない状況でした。
そんな中、店頭で少しづつ魅力を伝え、自信を持ってアイテムを紹介し続けて、徐々に共感してくださるお客様も増え、「真夏にベストを着てたからSLOW&STEADYのお客さんだと分かりました(笑)」と飲食店や美容師さんなどからも言われるほどになりました。
年に数回開催している高知出店でも、回を重ねるごとに、こういったワークジレやワークベストを好きになってくれる方が目に見えて増えているのを実感しています。
そうは言いつつも、まだまだ苦手だと感じる方が多いのも至極当然です。
冬は暖かいアウターがあるし、夏は半袖、短パンになれば快適に過ごせます。
着たことがない人からすれば「じゃあベストはいつ着るの?」って感じるでしょうし、気候だけに合わせて洋服を着るならアウトドアのハイテクギアを選べばいい。ジャージなんかの楽に着れる洋服が存在しなかった当時だから、実用性もかねてベストが好んで着られていたんだと思うのですが、こと現代においては着なくてもコーディネートも成立しそうなアイテム。
言ってしまえば、ワークジレなどに代表される『着なくてもいい物』は優先順位が下がって当然。
だからこそ、そんなアイテムの魅力をしっかりと伝えるのが、僕らの役割だと思っています。
最後に
大前提として僕らは洋服が好きで、日本にはしっかりとした四季もあって、永く大切にしたいモノや、自分を奮い立たせるため、決して安価とは言えない洋服を一生懸命買うんだと思います。
日々お客様に伝えていることは『着なくてもいい物』にこそ洋服の醍醐味や面白さが詰まっているということ。そして苦手意識のある方には「とりあえず、まずは着てみてください」と伝えています。
こういったベストを好きになれば、洋服選びやコーディネートが格段にスムーズになるからです。
4月14日、15日の2日間にわたって開催するBONCOURA祭『5×7』にて、今回紹介した別注アイテムも発売開始となります。(この記事の公開と共にウェブ販売をご希望の方の先行予約を開始、先行予約分が完売次第、14日より店頭と同時販売となります)
※沢山のお問い合わせ誠にありがとうございます。WEB予約分ですが36は完売しました。(4月9日)
完売していた定番アイテムや人気アイテムもこのタイミングで補充しております。
上半期を締めくくる周年イベントです。皆様ぜひご来店ください。お待ちしております!