11月に入り今年も残すところ2ヶ月。
仕事柄ブログなどでも季節の記事を書くことが多いですが「この前夏の記事書いてたのにもう一年が終わろうとしてるじゃん」という今日この頃です。願わくば、寒さへの恐怖もなく、適度に重ね着出来たり、コートを羽織ることもできる今時期くらいの気候が続けば良いのですが、、、
この時期になると部活を引退し暇を持てあまししていた僕に、洋服の楽しさを教えてくれた友人の事を思い出します。
プレーントゥオックスフォードシューズ
靴の形状としてはMOTOが定番的に作る丸みを帯びたオックスフォードシューズ。ボトムズ問わず合わせやすく、かつ個性の出る形状です。ヨーロッパの古いアンティークにありそうな形状はヨーロッパヴィンテージをルーツに持つことの多い当店の洋服との相性も◎。
ソールに用いられたコルクソールとはラバーソールの内部にコルクチップが混ぜられたたソールで水に強く、高い耐久性とクッション性能、軽い履き心地が兼ね備えられた秀逸ソールです。もちろん他のMOTO製品同様にすり減った後のソール交換も可能。
過去のブログでも書いていますが、細かいアップデートなどを繰り返しながら過去から現在に至るまでMOTOのシューズラインナップの中核を担ってきたこのオックスフォードシリーズをはじめとする定番の外羽根タイプは当店にとってもお客様の足元を守り続けてきた不動のエース。
グイディレザー
そしてアップデートされたこちらの一足。MOTOの長い歴史でも初となる「グイディ(GUIDI)レザー」を使用した一足です。
〜GUIDI (グイディ社)〜
1000年もの長い歴史を持つ、フルベジタブルタンニン鞣し「バケッタ製法」をルーツとし、伝統的な手法と斬新な創造性が生み出す独特な革の質感は、他のタンナーと一線を画す。 カーフレザーはキメ細かく柔らかな素材感が特徴的。グイディ社のレザーは単にスペックの説明だけでは語れない魅力があり、その革は、まるで血が通い、生きている皮膚のようである。 人間が感じる皮膚感にとても近い質感に仕上げられていると感じる。このように生命力を感じる革は本当に稀である。タンナーはヨーロッパにおいても、強い思想、哲学をもって革を作っていることで知られている。
motoleather instagramより
天然の素材だけを使い、時間をかけてなめされた革は、非常に柔らかく、耐久性に優れた革になっています。そのため履き心地に定評のあるMOTOのなかでもいっそう、最初から履きやすいモデルです。
天然の油分がしっかりとしみこんだ革は少し履いてブラッシングをしてやるだけで、つま先のテカリが増すほど。同ブランドのコードバンやクロムエクセルと同じく、非常に履き込んだ先の表情が楽しみな一足。
馴染ませる意味もあって、休みの日はこいつと共に出かけるのがマイブームです。
忘れかけた友人との約束
自分が洋服に興味を持ちだしたのは高校生の時。会う度自分の服装にダメ出しをくれたり、1日およそ50キロの移動を伴う~自転車古着屋ツアー~に文句も言わずつきあってくれた、ひときわ仲の良かった友人がいたのですが、自転車での移動中ももっぱら洋服の話。
僕も友人もアルバイトをしていなかったため、「今年のお年玉でスニーカー買おうと思っとるんやけど。」「働き出したらこんな洋服が着てみたいよな。」「あの店で全身揃えられるくらい働くわ。笑」など未来の妄想のような会話も多かったと思います。
ある日の友人との議題は「初任給を何に使うか」というもの。そのときまさに、今もなお続いてる革製品好きとしての第一歩を踏み出そうとしていた青年吉浦は「買いたいのはレザーのアイテム。そのなかでも気になる物があるんよな。」と友人に偉そうに語りました。
そこで伝えたのがGUIDIのアイテムだったのです。
ちなみに僕には割と真剣に「羊飼いになりたい」と周囲に伝えていた時期があり(丁度この高校生の頃)、自分の中で「羊飼い=古きヨーロッパのイメージ」でしたので、中世のヨーロッパの伝統的な製法であるバケッタ製法の代表である「GUIDI」に目が止まったのだと思います。
初任給でもなけりゃ、そんな会話なんて半分以上忘れていましたが、10年弱の時を経てグイディレザーを手に入れる運びとなった僕。年に数回電話しますが「餅は餅屋やろ。今はあんたが洋服屋やから」といって昔ほど洋服の話にはつきあってくれなくなったその友人。
仕事が落ち着いた時期、県外にいる例の友人のもとへ、この靴を履いてたずねようかと思っています。